日本人の先送り体質の弊害

自民党の選挙対策のような景気対策が出た。行政マンレベルの頭しかないと言うか、行政マンにコントロールされている今の国会議員に期待出来ないのは自明だ。此処まで来る前に手を打つべきなのだが、日本人の底流に流れている「先送り」が優先されて何も遣らずに来たツケは大きい。先見の明があれば、今年の春に期限切れとなった石油特別会計の割り増し税を再度延長する様な愚は犯さなかった筈である。1兆円の税を得るために数兆円の減収を引き起こす責任は重い。NHKの大河ドラマ「篤姫」にも末期の徳川幕府の官僚が目先を優先して「先送り」の政策を行っているのが表現されているが、現代の政治も正に同じである。日本の経済停滞は全てが目先の事ばかりの措置で、一向に将来像が見えない不安から来ている事に対し誰も眼を向けないからである。今の日本には政治家が存在せず、政治家と言う官僚ばかりが跳梁跋扈していている。小泉の様なインチキ改革の反動で真の改革まで見えなくなってしまった。政府の御用学者や嘘八百の金融マンなどは小泉改革を中断したから日本経済は悪くなったと言ってるが、小泉改革は、「道徳の欠如」を生み出したばかりでなく、「正直者は馬鹿を見る」と言う世の中にしたことが、日本経済低迷の大きな原因である。信用されない政府が何をやっても効果が出ないのは当たり前である。景況で生活の影響を受けない制度に保護されている官僚の意見に従った政策では、ますます国民が政治と乖離するだけである。政治家が太り、官僚が太り、痩せるのは善良な国民だけである。

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