不動産会社の淘汰は建築構造偽造事件が始まり?

最近良く官製不況と言われる。確かにその通りと言えるが、その原因を深く追求したコメントにはお目にかかれない。日本の役人がバブル経済崩壊以降に財政再建を優先したり、最も悪い時期に会計基準を改正したりと現状を無視した政策を実施してきた事は周知の事実である。しかし、今回の不動産会社に対する融資規制(金融庁は否定しているが!)に関しては、ミニバブルやサブプライム問題を利用しての新興不動産会社の淘汰ではないかと最近思う様になった。今から20年以上前のバブル経済時の不動産に対する融資規制については、その時の事を言えば「全ての不動産会社を対象にした訳ではなかった」のである。当時の大蔵省銀行局の各銀行に対する指示は、「何の独自な技術も持たない会社や社会に貢献しない単なる地上げ業者」をターゲットにしたのであって「社会に貢献している不動産会社」に関しては支援するように指導していたのである。今回の不動産に対する融資規制は「雨後の竹の子」の様に増えた不動産会社に対して行われているが、その理由は「建築偽造事件」の様なモラル欠如の会社が増えたことと思われる。このため、金融機関側は、既に支援すべき不動産会社を選別しているものと思われ、支援されない不動産会社が全て破綻した段階で不動産に対する融資は正常に戻るものと推測される。勿論、この淘汰には依然として需要より多いと思われる建設会社も不動産会社の破綻を受けて倒産することも承知の上であろう。今回の倒産の多くが債務超過でなく運転資金の不足なのが全てを語っていると思われる。今後も新興不動産会社の破綻が続くと思われるが、破綻した会社を分析すると「裏社会との関係」、「モラルの欠如」、「土地転売屋」、「何のスキルも持たない会社」などである。この範疇に入っていなくても担保不動産がない会社は生き残れないであろう。オフバランスは一時流行ったが、非常時の資金調達には固定資産が必要なのである。何事も極端に走るとリスクを招くことになる。

 

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