金融自由化で経済再生を行った英国が金融危機で奈落の底へ

経済の低迷で英国病と言われたのを、金融自由化と行政改革で国家再生が成功したと思われていた英国だが今回の金融危機で通貨安を招き経済危機が深刻である。英国は国土が狭いながらも大国として君臨できたのは過去の植民地時代の遺産もあるが、国民が贅沢をしない質素な暮らしぶりも背景にあった。しかし、金融自由化後の英国は消費大国へと変貌を遂げて食事ひとつ取っても贅沢になった様だ。金融は人間の体からすれば血液に相当する重要な要素だが、遺伝子異常と言われる癌も又血液の塊であると言われる様に過剰になると問題が生じるのである。今回の金融バブルも実体経済と懸離れた金融が一人歩きをして世界中に豊かさを齎したが、癌によって健全な組織細胞が破壊されたと同じ様に、過剰な金融商品で成長した経済が信用の収縮によって簡単に破綻してしまった。金融自由化で他の国々より恩恵を受けただけ英国では今回の金融危機に対してはダメージが強く、虚像を払拭した後の経済再生は大変と思われる。金融自由化でのリスクの分散や軽減が、実際はリスクを増大していたと言う愚かさは笑えない。日本も行政改革で独立行政法人への移行など英国に習った政策を行ったが、この政策も金融自由化で資金の調達を外部に求め易い環境を前提としていたら厄介な問題(公共サービスの低下)を引き越すのではないかと懸念される。

 

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