職員の給料の高さと役所の公共サービスの反比例

職員の給料が高い役所ほど住民に対する公共サービスが悪い。本来なら税金で給与を得ている立場からすれば逆なのだが、全部とは言わないが給与と公共サービスは反比例しているケースが多いと思われる。もう10年以上前の話だが、当社が四国に所在する特別養護老人ホームの経営者から東京都内の特別養護老人ホームの調査を依頼されたことがある。この時の都内23区と都下の市の役所の職員の対応には色々と違いがあり驚かされた記憶がある。何故今頃になってこの様な事を書くのかと言えば、群馬県伊香保市の特別養護老人ホームで焼死した老人が墨田区の住民であったことが書かれていたからである。先の調査で最も職員の対応が悪かった区役所が墨田区役所であったからである。税金で暮らしている公務員が、住民に対する思い遣りもない冷たい言葉が出るのも言語道断だが、当時墨田区区役所は豪勢な庁舎を建築して快適な職場になっていたのにである。下町の区役所の中で葛飾区役所の応対は立派であったので今でも鮮明に記憶している。この調査の質問は、奥多摩に出来ている若しくは計画中の特別養護老人ホームに対する区内に住む老人の受け入れ先としての対応に関してであった。この時の葛飾区の職員は、"区内で苦労して生活をして来た方々の老後を家族と簡単にあえなくなる他の地域で過ごさせるのではなく、区内に施設を設けて老後を過ごして頂く考えです"と回答されたのであった。この回答に私は思わず感激したのであった。此れに対して墨田区の職員の冷たい対応は今でも忘れない。墨田区の職員は高い給与を受けているのにである。浅草などを行政区域とする下町なのに人情の欠片もないのには驚いたものであった。群馬県伊香保市に区民を追いやる行為は正に現代版の「姥捨て山」である。尤も、この現象は公務員だけでなく日本人全体に及んでいる。当社はブッテックデベロッパーとして市街地の再開発も行なっており、開発の過程で多くの家族と出会うのだが、お金を持っていない家族ほど子供達は親孝行であり、お金持ち程家族関係は希薄で醜い開発利益の争いを行なうのを見たものである。公務員は下僕であるのに今や区民の平均所得を大幅に上回る給与を得て区民の事を考えない輩が増えている。情けない話である。国や地方自自体の借金が900兆円を越えた今、大胆な公務員の給与削減と人員削減を断行する様に国民は立ち上がらなければ全てが駄目になると考える。

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