日本の若者は内向的になって来ている(バックパッカーの減少)

日本の若者が海外に興味を持って国を出るケースが減少しているとの記事を目にした。確かに、現代は色々なTV番組で海外の観光地や秘境などを放映しており疑似体験できるので、行かなくても行った気持ちになる錯覚現象をもたらし、海外を見聞する興味が失せているのかもしれないと思う。しかし、映像で見るのと実際に行って体験するのでは情報化の時代でも雲泥の差があることも事実であるので、何故日本の若者が海外に興味がなくなったのか残念である。特に、グローバル経済と言う産業の水平分業が進む中で、否応なしに海外との交流が必要な時代に内向的な日本の若者が増えている現象は海外投資家の日本売りに拍車がかかる恐れがある。豊かな時代に育った若者を見ると、余り酒を飲まず、他者との争いも好まずと言った優等生が多い。千葉市長選で30才台前半の市長誕生を皮切りに、多くの市で若い市長が誕生しているが、今の若者は明治維新時の様な若者ではない事に早く気が付いた方が、期待感が失望感に変わった時にショックが少なくて良いと思われる。良く考えると、江戸時代は藩が国家であったので、当時の若者にとっては日本国内を旅するのは国外旅行であり、海外旅行することも距離が遠くなるだけで意識的には同じであったものと推察される。勿論、当時の若者は現代の様に20歳で大人でなく、元服の儀式である15歳で大人扱いであったので、今の若者と比較して精神年齢の成長と社会と対峙するが早かったことも明治維新に若者(今で言う若者ではない)が活躍した背景であろう。若者ならば失う物がないので期待できると言うのは、昔の話であり、豊かな社会の今の若者は失うのが怖い世代なのに気が付かないと社会が混乱すると思われる。何れにしても、知的好奇心がバックパッカーを生み出すと思われるので、閉塞感溢れる日本から飛び出す価値は大きいと考える。私の時代は円が1ドル300円台であったので容易に海外に行けなかったが、それでも「地球一人歩き」などの本を手にして海外に出た人達がいた。今は1ドル90円台である。日本を考えるには海外から日本を見るのが最適である事を知るべきである。
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