民主党の「子供手当て」と「高校授業料負担」の問題点

民主党政権のマニフェストである①子供手当てと②高校授業料負担については単にお金を出すだけでは自民党政権と出す先が変わるだけで社会改革にはならない。「子供手当て」に関しては余り経過を知らないので一概には言えないかも知れないが、マスメディアが報じている塾・予備校の費用に回される代物なら必要ないのである。「子供手当て」と言っても子供のいる全家庭に支給するのでは1人当りの金額が少ないので、少子化の歯止めには役に立たないと思われる。この手当ては所詮、子供の居ない家庭は対象でない不公平な手当てであるので、一歩踏み込んで所得制限と2人以上子供が居る家庭、更には3人目以上の子供に対して手当てを厚くすれば少子化や所得の低い家庭支援と言う本来の手当て支給の趣旨に合うと思われる。今の様な子供が居る家庭一律に1人当りの支給では、選挙目当てのマニフェストと言われても仕方ない。次に、「高校の授業料負担」に関しては高校の入学率が90数パーセントで実態が義務教育であるとの理由だが、戦後に作られた教育制度の見直しが先であり、高校の義務教育化が必要かどうかの議論が必要と思われる。学ぶ場所は学校だけとの思い込みが、親に子供を無理矢理に義務教育以上の教育を受けさせて家庭崩壊に到っていることを知るべきである。総花式の学校教育など社会に出て意味がないのである。民主党政権が選挙目当てのマニフェストを掲げ、根本的な問題を避けた政策を実行するならばばら撒き政策を実行した自民党政権と何等変わらないのである。尤も、日教組を支援団体としているので枝葉末節の政策しか出来ないとするならば、日本の教育は永久に子供にとって有用な教育制度にならないと思われる。お金があるから先にお金で物事を考えてしまうが、明治時代が脚光を浴びるのは官民ともお金が無い中で有用な制度を構築したからである。民主党政権も自民党政権と異なる政策を実行したいならば、お金を使う事でなく、最低限の使い方で社会が良くなることを考えるべきである。

健常者用高級老人ホーム

昨日、郊外に造られた健常者用の高級老人ホームを内見してきた。残念ながら同ホームは本格的立ち上がりを前に会社の不祥事が発覚してオペレーションを断念したために現在は稼動していない。事業を立案した会社は、介護付き老人ホームなどを複数のスタイルで運営している会社なのだが、内見した高級老人ホームは飽くまで健常者用のものであり、お金持ち夫婦が最長15年程度過ごす館をコンセプトにしており、レストラン・クリニック施設・スポーツジム施設・趣味施設など建物の共用部分は約50%を占めている。ここに住むには多額な入居保証金が必要な上に夫婦で月額50万~60万円掛かるシステムであった様だ。私からすれば何故この場所なのかがイマイチ理解できなかったが、当初は社員もオーナーの指示が分からなかったと言う。会社を一代で大きくした様な人物の考え方は匹夫には理解できないのは当たり前だが、多分モデルは海外なのだろうと思われた。この種の老人ホームは2箇所事業化を進めたのだが、面白い事に別な場所の請負会社は社内のホテルチームが担当し、内見した方の請負会社は高級マンションチームが担当したと説明を受けた。確かに、高級老人ホームの建設にはホテルと高級マンションの知識が必要なのであろうが、私から言わせれば、それに比べてオペレーションは非常にアンバランスであり、日本の本当のお金持ちは入居しないと思われた。日本の何代も続くお金持ちが求めるものは見かけ上の豪華さとは違う事を知らなければこの様な事業は旨くゆかない。尤も、小泉政権で中流家庭に育った俄か成金が大分増加したので、その種のお金持ちは見た目の豪華さを好むかもしれないが。案内者の話では、オーナーはこの施設で儲けを考えてなく、会社の象徴としての存在感を求めていたとのことであったが、残念ながら子供の時から恵まれた環境で育った者しか分からない贅沢を多くの日本人は知りようもないので、見た目の豪華さだけでオペレーションが付いてゆかない事業計画の荒さが目立った。

高速道路の無料化に必要な事項と阻害要因

高速道路の無料化は高速道路の当初計画に記載されたことであり、小泉内閣で道路公団の民営化で反古にされそうになったのだが、民主党政権の発足で実現する見通しとなった。私が以前のblogで書いた通り、高速道路の無料化など本当に考えていたかどうか疑わしいのは、先ず「出入口の問題」である。現在の様な出入口ならば無料化した時の渋滞解消は難しいと言う事である。しかし、問題は高速道路内に設置している休憩施設である。米国の様に高速道路を無料化し、出入口を沢山設置すると休憩施設の利用客は減少し経営が困難になるのではないかという懸念が起きる事である。これが高速道路の利用を限定する阻害要因となる可能性がある。民主党は高速道路の利用の観点から詳細に調査して無料化を考えているとは思えず、現況のシステムのままで無料化を行なう可能性が高く、逆に多くのマイナス要因を生じさせる懸念がある。自民党が景気対策で行なった1000円に関しても同様である。1000円料金を往復1回しか利用できないので途中下車による経済効果が見込めず、目的地到達による交通渋滞を引き起こしたり、競合交通の輸送会社を経営難に陥らせたマイナス効果を生じさせている。然も、利用日を限定したので必要以上の交通渋滞まで引き起こす結果となった。高速道路の無料化は人的物的の移動が活発化し、景気対策にもなるので結構な事だが、無料化に際しては現行システムを変更して利用の増大と渋滞を回避できる出入口の増設など綿密に調査して断行する必要があることを認識して欲しいと思われる。休憩所有りきでは無料化の効果は限定されてしまう。
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