車内で新聞を読むマナー

私が乗車した地下鉄車両の私の周囲で日経新聞を読んでいた乗客が3人居た。2人は男性で私の横で読んでいたのは若い女性であった。以前と違って車内で読んでいる新聞は圧倒的に日本経済新聞となった。現代の日本が如何に社会問題より経済問題の関心に比重が移ったかを証明している。勿論、日経のCMが効果を発揮している面も否定できないが、それ以上に私の若い時代には官庁や企業の御用新聞の位置づけであったのが今や一般紙以上にビジネスマンに読まれている光景は世の中がお金中心になった証であることを実感する。先の3人の内1人が横に座っている乗客の顔近くまで新聞を広げて読んでおり、然も詰めれば一人座れるスペースを占有していたために横の乗客から注意された。この様な光景は珍しいが、横の方は余ほど無神経に新聞を読んでいた男性に腹が立ったのであろうと推測された。注意された後にこの男性はスペースを空けたが新聞は相変わらず広げて読んでいた。少し時間を置いてからその男性は注意された乗客に何か言っていた。多分、「此れで良いでしょう」とか言ったのではないかと思われる。ちなみに、他の2人は新聞を四つ折りにして左右の乗客に迷惑を掛けないように読んでいた。注意された男性は40歳前後で身なりも顔付きも立派であり、勤務先の会社では能力が評価された者である様に窺い知れた。しかし、初歩的なマナーも身に着けてない姿を見ると頭は良いのであろうが育ちは良くないことが直ぐ分かった。この様な場面に出会う度に、私はお金持ちの息子に生まれたわけではないが、成長する過程で社会人として基本的なマナーを教えてくれた家族、教師、学校の先輩に感謝の念を改めて思う。

日航(JAL)の会社更生法申請で真の航空行政を!!

日本航空(JAL)に対する最近の論調を見ると政治と行政に翻弄された犠牲者の様な意見が目立つが、これは会社再生に多額の税金を投入する必要があるために意図的な情報操作を行なっていると思わざるを得ない。勿論、日航は国策企業として政治と深く関わりあってきた事は確かだが、その反面国が潰す事はないと言う慢心でホテルなどの不採算事業を多く行なってきた事や必要以上の高賃金体制で会社経営を行った事も事実である。国民や国にお金が無かった時には皆謙虚であったが、戦後の経済成長で世界第2位の経済大国になってから国家も国民も無駄使いを何とも思わなくなった。その結果が1000兆円に届こうかと言う国の借金である。ただし、この背景には日米貿易の不均衡に対する米国の内需拡大の強要も関係していたことも又事実である。誰しもが忘却の彼方に置いて来た米国の内需拡大要請による公共投資500兆円プロジェクトの実施計画である。記憶では米国の要請で国内の公共投資プロジェクトが洗い出され積み上げ方式でリストに上がったのだが、当初はとても500兆円のリストなど作れなかったのである。このため、米国に提出するために経済性が低い多くのプロジェクトがリストに載る事になったのである。東京湾横断道路プロジェクトなどはその典型的なものであった。マスコミはその様な事実関係を忘れて無駄な公共投資と国民を煽り立ているが、膨大な公共投資を遣らなければいけなかった理由とそれに便乗した政治家の利権を理解した上で報道すべきと思われる。確か、30年以上前の運輸省の航空行政は今日の様な無駄な飛行場建設など目指してはいなかったのである。地方の飛行場と大都市圏の飛行場はコミュータ(小型航空機)システムで確立し、実需の少ない地方飛行場には大型ジェット機用の滑走路や必要以上の乗降施設の建設などは考えていなかったのである。それが何時の間にか軌道修正されて地方の飛行場も殆んどが2500m規模の大型機が離着陸出来る滑走路とそれに見合う施設が作られたのである。勿論、時代の変化で軌道修正された面もあると思うが、何時の間にか地方の飛行場まで海外乗り入れを目指したのは正しい選択だったかどうかと思われる面もある。海外乗り入れには貨物の需要と相俟っての事と推測できるが、それにしても効率の良い投資の考え方があれば現在の様な無駄な投資はなかったと思われる。何れにしても、日本航空の破綻を機会に日本の航空行政が政治家などに翻弄されない真の姿に戻る事を期待したい。尤も、民主党政権が政策の主導権を官僚から取り戻すことを表明しているのでダーティな部分を持つ政治家が主導する航空行政を国民は今こそ選挙権を有効に活かして監視する必要があることは論を待たない。

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