日本を捨てるのはどの様な企業か

最近色々な業界の方とお話しする機会があるのだが、時流に流されやすい大企業のサラリーマン経営者と違い下請け会社の中小企業の経営者は、グローバル経済だからと言って簡単に日本を捨てる考えはないことに気が付いた。大企業と下請けの中小企業とは以前は共存共栄の関係であったが、現在はドライな関係となっており、その原因は大企業の露骨な下請け会社の利益を考慮しない自己中の必要以上の収益追求であった。私が知人から聞いた下請け会社の経営者は、食べて行くこと位は現場で培った技術力があれば出来るとの信念から、自己中の大企業と決別している。この会社は海外にも技術を盗まれるだけと言って頑として出てゆかないそうだ。これと全く逆な話だが、不動産管理業でグローバル化の波に乗って海外に進出を図っている会社もある。この会社は日本で収益を上げられないので海外展開を図っている様だが、私の知る限りこの会社は全国展開しているものの中味のない不動産管理会社であり、低価格だけで受注しており、従業員を大事にする企業風土も育てていない。尤も、昔のセブンホールディングの様にスーパーが駄目なのでコンビニに進出して勝ち組になったケースもあるが、それは稀なケースであろう。国内において十分に実績を上げる事が出来ない企業が海外に出て成功する事はない。企業病が蔓延した英国においてスーパー経営で成功している記事を見たが、遣っている事は顧客重視と現場主義である。社長自らが現場感覚を失わないために定期的にレジに立って顧客サービスを行なっているとのことであった。この結果、欧州で3番目のスーパーを維持しているとのことである。日本企業の大半も同様な顧客サービスを行なっていたが、最近はコスト重視で現場主義から乖離して顧客の顔を見なくなった。国内で駄目だから日本を捨てて海外に出るのでは成功する筈もない。海外重視の会社はコスト重視の会社だから製品を購入する時には気をつける必要がある。当社が購入したコピー機はリース期間の5年が到来したらセンサーの不具合が頻繁と発生し、不便極まりない。必要以上に耐用年数を掛ける必要がないと言う事ならば国が電球や蛍光管と同様に限界基準を設けるべきと考える。勝手に5年持てば良いと言う考えで作られた製品を何も知らないで導入するのは理不尽である。そう言えばこの企業も海外展開で成長した会社なのに気が付いた。

消費税値上げを国民に訴える前に公務員に財政危機感を徹底周知させよ

財務省のスポークスマンになった菅首相の消費税10%アップ発言を切っ掛けとして新聞報道も普天間基地問題と同様にヒステリックに財政危機を論じ始めた。民主党の仕分け作業で分かったことは公務員は財政に対する危機感が全くなく、税金を無駄使いしている姿であった。この様な無駄使いの意識をなくさない限り、どの様に消費税の使い道を提示しようがサラ金財政から脱出する事は困難である。今日の省庁の姿は明治期に形成されているが、その時点で既に役人は目を離すと組織の増殖に邁進すると警告されている。現代は特に政治家の見識が低く、人物もいないから尚更厄介である。私は以前から叫んでいるのは国家に金を持たすなと言う事である。なければ使えないと言う仕組みの再構築が必要である。菅首相は悪戯に年金問題を取り上げて財政危機を国民に煽る事をしないで、先ず公務員に財政危機感を徹底周知させて無駄使いをさせなくしてから国民に消費税値上げを問うべきである。昔は公務員の給与は低かったので、退職金や年金が民間と比べて優遇されたのである。それが、給与も大企業並みに引き上げられた上に退職金や年金制度は従前のまま残されたので、公務員を目指す若者が増えてしまった。この結果、危機意識がない公務員が多く生まれて無駄使いするようになったので、再度公務員給与を中小企業並みの水準に引き下げ、それでも使命感を持って公務員を目指す若者を採用すべきである。お金を多く払わないと優秀な人材が公務員にならないなどは間違った考え方である。お金に引かれて公務員になった人達が国民のために頑張るわけがない。国民は行政の構造改革と公務員の給与水準の引き下げ、並びに国会議員の定数の大幅削減を実現するまで消費税引き上げに絶対に賛成してはならないと考える。

当社のホームページの求人欄に表示している当社の事業に対する考え方です

当社に興味を持ち入社を希望する方は、先ずホームページの会社情報欄の"社是"をご覧下さい。創業者の経営に対する考え方が記されています。

日本の近代資本主義の源泉として位置付けられている禅僧"鈴木正三"は愛知県豊田市の出身ですが、鈴木家は徳川家に使える地侍であったことから徳川家康の関東移封に従って創業者の故郷の茨城県東茨城県城里町に移住し少年~青年期を過ごしました。42才で武士の身分を捨て出家し、各地を巡り高僧から教え乞うたり、自らの思想を説いて回りました。この思想の中に、社是にもある"互恩"を説いています。又、士農工商の時代にあって「四民日用」を書き上げ、諸々の職業がお互いに助け合って世の中が成り立っていることを説いています。

正三禅師は四民が互いに助け合って世の中を支えている姿に"何の事業もみな仏行なり"として「仏行」そのものだと見なしました。この"仏行"とは、俗世間を出家した僧侶のみが行う宗教的行事ではなく、一般人が自らの仕事に打ち込む、その日常生活そのものにあたるとしたのです。

さらに、その"仏行"は自分自身に内在する仏性を引き出すための「修行」に他ならないと説いています。特に、昨今の耐震偽造の様に人を騙して利益を上げようとする社会の風潮に対して、「売買せん人は、先ず得利の増すべき心づかいを修行すべし。その心づかいと言うは他のことにあらず。身命を天道になげうって、一筋に正道の道を学ぶべし≪売買しようとする人は、先ず利益を増す心づかいを修行すべきである。その心づかいとは他でもない。身命を天道に捧げて、一筋に正道の道をまなぶべきである≫」の教えは心すべきことと思われます。

正三禅師の主張は、わが国で最も早く商業利潤の倫理的正当性を説いたものとして知られ、「一筋に正道の道」でなければならないと言う教えは、"約束を守る"、"信用を重んじる"など近代社会の基盤の確立に繋がっています。

創業者に影響を与えた正三禅師の教えを反映した"社是"を尊重し、常に"感謝"の気持ちを抱いて業務に携わる社員が当社の求める人材像です。小企業ですが、当社の企業理念に賛同される方の応募を期待しています。学歴・職歴・経験・資格は問いません。

何も、米国の大学でMBAを取らなくてもビジネスに対する優れた思想が日本にはあります。日本が相手に勝つ事だけや効率性だけを重視した社会を目指した結果、将来の希望を失っています。武道では心技体の修得によって完成の域に達すると言われていますが、事業も「心」を喪失したのでは未来はありません。時流に流されない生き方こそ今は必要と考えます。

消費税アップを議論する前に思い切った構造改革を実現しろ

ギリシアの財政危機を利用した日本の将来の財政に対する不安感を煽った様な消費税値上げ論が浮上してきた。私も将来的に消費税をアップする事は反対ではないが、少なくても現状の様な行政の予算の仕組みでは賛成しない。民主党の仕分け作業で分かった事は、行政に携わる人々が巨額な国の借金があるにも関わらず能天気に税金の無駄使いを行なっている現実である。この様な状況を改善しないで消費税をアップすれば果てしないサラ金財政を繰り返すだけとなってしまう。菅首相は財務省から財政の説明を受けて納得してしまったらしいが、一度作った組織は必要がなくなっても残してしまう行政の欠陥を是正しない限り、消費税などアップしても余り効果が期待できない。更に、現行の消費税は最初3%からスタートしているために衣食住にも掛けているが、もし10%に引き上げるなら医療品や食べ物に対しては課税しない様な配慮も必要である。しかも、石油税の上に課税している様な2重課税もあり、現行の消費税の仕組みを大幅に変えることが重要である。更に、菅首相は消費税値上げに対して所得税や法人税の税率引き下げを唱えているが、それなら現行の源泉徴収制度を改めて米国の様に全員申告制度を導入するべきである。サラリーマンに必要経費が認められない不公平な税制は改めるべきある。また、農水産業人口が3分の1以下に減少したのに農水省の役人や組織が従前と変わらない規模で存在している様なことでは消費税アップなど言語道断である。仕分け作業の無駄以前の問題であり、思い切った構造改革を行なわない限り財政再建など10%の消費税アップでは実現しない。
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