司馬遼太郎の作家原点が今尚続く日本の悲劇

司馬遼太郎は昭和20年(1945年)8月15日に陸軍少尉で終戦を迎えた時に「なぜ、こんな愚かな指導者ばかりの国にうまれたのか。昔はそうでなかったのではないか。」と言う思いがあり、その疑問の答えを見つけるために歴史小説を書き続けたと言う。この愚かな指導者の言葉は正に現代の日本にも当て嵌まり、太平洋戦争の責任を問わなかった日本国民の未だに続く悲劇かもしれない。今は平成の時代だが、愚かな指導者を産んだ時代は昭和であった。私も昭和生まれだが終戦を大分過ぎ朝鮮戦争特需に沸いた世代であるので、子供時代に戦争の話は聞いたが実感の湧かない事であった。しかし、無謀な戦争に導いたのは日本陸軍参謀本部の作戦参謀と言われた陸軍大学卒のエリート官僚と聞いて今は、東大卒の財務省主計局のエリート官僚がオーバーラップする。昭和の時代にはテストの成績が良いものが要職に就き、次第に実務知らずの机上の妄想に走り、国家を破滅に導いてしまった。現代の霞ヶ関の官僚なども同様であろう。政治家や地方首長などに言葉遊びで翻弄して頭の良さを得意がっている姿は亡国以外の何物でもない。特に、官僚の問題点は、失敗の責任を取らないと言う正に致命的なシステムに国家の運命を委ねている点である。民主党の代表戦が始まったが、管にしても小沢にしても経済など何も分かっていないので期待は出来ないが、2人とも間違いなく司馬遼太郎の嘆いた「愚かな指導者」の範疇には入る。世の中は人脈で動くので仕方ないが、致命的な失敗をした輩が昔の陸軍参謀と同じ様に直ぐに要職に返り咲く。敗者復活戦をなくせと言うのではない。問題は失敗の原因を解明して責任を取った上での復帰なら問題が無いが、当の本人が反省も無いのに復活させている現代のエリートと呼ばれている連中の互助会組織が日本国家の崩壊に導く恐れがある。尤も、日本崩壊など既に始まっており、沈む船と運命を共にするのは何時も庶民である。しかし、平成の愚かな指導者に対しては断じて看過しないで責任を追求する必要があり、愚かな政治家、官僚、学者の氏名を挙げて責任を取らせる必要がある。

厳しい経済情勢の中でも社会・文化に貢献している企業

先週の土曜日に毎年恒例の株式会社ユーハムが主催する「ゲーテの詩の朗読大会」の一般審査員として参加しました。「ゲーテの詩の朗読会」の参加は今から20年以上前にユーハイム社長ご夫妻との出会いから一般審査員のチケットを頂くようになって参加してきました。当初は全国大会を勝ち抜いてきた優秀な方々の朗読であったので、私には評価に差を付ける能力がなく、私が評価した2名の方の殆んどが毎年賞に漏れたものでした。今年は珍しく選んだ2名の方が優勝者と入賞者となりましたが、これは私の朗読に対する能力の向上というよりは偶然の結果と謙虚に思いました。しかし、ユーハイムの河本社長の文化に対する貢献には頭が下がります。これまで何回も経済不況の中で経費を要する本大会に関しては社内的にも賛否両論があったと聞いています。1982年(昭和57年)に第1回の朗読大会が開催されてから今年で28回目となりますが、開催日は毎年ゲーテの誕生日である8月28日前後の土曜日としています。今年は正に誕生日と同じ日となり、河本社長の発声でハッピーバースディが会場に響きました。先日、ヤマハ発動機では多額な赤字を計上したが、これまで行なってきた各種スポーツ競技の団体を廃部せずに継続すると表明した。理由は他の会社と同じにはなりたくないと言うことであった。この言葉は何事も株主優先で株主に対する高配当と短期的な利益を追求して社員を大事にしない多くの会社を皮肉っていると思われます。現代の殺伐とした社会になった背景は企業が社員を大事にしなくなったことが根底にあると思われます。社員の団結を図らなければ企業の業績は短期的には回復しても中長期的には落ちてしまう。「企業は人なり」、「組織は人なり」です。ユーハイムがゲーテの詩の朗読大会を開催するのは文化に貢献する事はもとより、正に企業風土の確立であり、社員間の企業を支える力の養成ではないかと思われます。若き頃教育者を目指した河本社長らしい社員教育と企業経営と感心しています。現代の様な大きな変化が起きている時代こそ軸がぶれない経営が大事であり、社員が会社に企業理念を理解して動くことが必要と思われます。ユーハイムは正にそれを実践している企業であるので、私はユーハイムのお菓子を食べて今後も微力ながらエールを贈りたいと思っています。特に、マイスター手づくりのバームクーヘンの美味しさは格別であり、新年やお盆の帰郷には必ず田舎に送って貰い美味しく食べています。河本社長は早くから自然食品しか使わないお菓子作りを行なっており、企業家として高い理念を持った生き方の人でもありますので、彼の様な経営者にお会いできたのはお金儲けだけで動いている不動産業界に身をおく私に取っては意義のあることでした。今から来年のゲーテの詩の朗読大会が楽しみです。
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