現状の政治体制を産み出した"タテマエ"社会の悪弊

首相が頻繁と変わるからデフレ脱却が出来ず、新しい時代に対応した社会も作れないとマスコミが報道し、世論も同様に認識している。しかし、現状の体制が出現した背景には、政治の浄化だけ優先して政治の本質を見誤ったマスコミや国民が招いた結果と言えば非難されるだろうか。ボスザル体制を壊したので政治の本質的な部分が欠落したのである。過っては総理大臣の椅子は力で得たものである。その力で権力を維持したのである。確か、自民党時代の中曽根後継の竹下・安倍・宮沢の時代から総理大臣の椅子は話し合いで決めることが習慣化し、尚且つ小泉政権の誕生後には一般党員の声が強く反映することになったので、ポピュリズムの影響が強くなり、政治が混迷するようになったと考えられる。政治浄化のツケが回ってきたと言うと叱られるかもしれないが、棚からぼた餅の政権では権力に執着する度合いが弱いのである。政治浄化の政党助成金が世論の声を聞かない政治家を産んだが、反面その親玉を決めるのには大衆迎合主義とも言えるポピュリズムを利用している。更に、中選挙区から小選挙区に変えたことにより、小粒の政治家しか出現しない先祖がえりの選挙制度により、戦前の悪しき政治体制である大連立などと言う言葉が言われるようになった。尤も、今日の政治の低俗化と経済社会の低迷の原因は、官僚の暴走の契機となった田中角栄と言う政治屋まで遡及しなければ説明する事が出来ない。800兆円もの赤字国債があるのに平気で無駄使いしている官僚を制御する事が出来ないのは、ボスザルを欠いた政治に原因がある。今年の暮れの役人に支給したボーナスを見る限り、デフレ経済で困窮している国民など眼中にないと思われる。今日、世界中で盛んに「正義」について論じられているが、哲学的に「正義」など論じても意味がない。奇麗事のタテマエ社会が無能な政治家を産んでいるのであり、閉塞感カら抜け出せない一因でもある。今日の政治の混迷は、棚からボタ餅の総理大臣を産んでいるマスコミと国民に起因するものであり、ボスザルの復活しか役人から政治を取り戻せないことを国民は知るべきである。
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