年末オムニバス

民主党政権3年を問う選挙で今年の幕が下りることになったが、日本の失われた15年の立役者は小沢一郎という政治家の存在に尽きる。田中角栄という土建型政治家の下で学び、政治家としては政策立案能力を見せることはなく、徹底した政争政治家であった。自民党の単独政権が諸悪の根源として二大政党作りに政治家もマスメディアも踊り、その結果が分裂統合を繰り返し、結果的に生まれた民主党政権は野合の集まりで、1000年に一度の大災害である東日本大震災と副次的な福島第一原発の事故処理と震災後復興を等閑にし、民意を無視した増税に突き進み自滅した。政治は金と数と思い込んで政策など無視した最後の政治家の末路が小沢一郎と言える。今回の選挙で注目していた選挙区の一つに民主党元首相の管直人の選挙区があった。ここは東京都の国立市と武蔵野市の住民の選挙区であるが、今回の選挙結果は驚くべきものであった。それは管が善戦し、小選挙区では落ちたが比例で当選を果たしたことだ。東日本大震災の時の首相として無能なだけでなく、福島第一原発の事故処理に対して鎮静させるどころか彼の行動が被害を拡大してしまったからだ。今更言っても仕方がないことだが、管が首相でなければ少なくても原発1基の爆発で済んだと言われることは事実な様だ。私の故郷の茨城北部は福島第一原発から116kmに位置している。そこに居住する姉の飼い犬が内部被ばくしているのが昨年正月に偶然分かったが、現在は死の床に横たわっている。周辺地域の犬も足などに痛みを訴えていると言う話も聞くと、骨にセシウムが入った可能性は否定できない。管直人は原発事故を拡大させた責任を取るどころか、代替エネルギー法案を成立させたことを自慢するなど万死に値する政治家だ。それなのに東京都国立市と武蔵野市の住民の選挙で取った行動には日本の将来に不安を起こすものであった。そう言えば、国立市では法律的に問題がなかったのに住民がマンション建設に反対して後から条例を制定させて建築計画を変えた場所であったことを思い出した。

近年マスメディアは決める政治とか盛んに政治家を挑発しているが、民主主義とは何かを全く考えない意見だ。民主主義は手続きに時間が掛る制度だ。情報化時代で社会がスピードアップしたから政治も同様だと考えると民主主義の否定に繋がる。決められないのは社会の価値観が多様化し、複雑な社会になったからだ。マスメディアが決められない政治を攻撃すると結果的にアジテータ政治家の出現となり、政治が一層貧困化する。政治家が無能なので官僚が政治に口出ししてきており、意に沿わない政治家や議員立法に対してネガティブキャンペーンを行って国民を洗脳しておる。これは由々しき問題なのだが、記者クラブ制度の日本では利用されることがあってもその危険を訴えることはない。

安倍自民党政権の発足で経済再生に注力する姿勢を打ち出しているが、多くの人は本当に景気が良くなるか不安視している。民主党政権3年間の政治が如何に国民を裏切ったものであるか今更ながら驚く。私の個人的な見解では、安倍政権で景気は良くなると考える。理由としてはマスメディアが安倍政権を脱財務省とか論じているが全く筋違いと思うからである。財務官僚は民主党野田政権で悲願の増税法案を通したので今後は実施に向けた環境つくりと思われる。国民は財務官僚に騙されているので、円高は増税を実現するために財務省が仕組んだものと疑問にも思わない。その点から言えば、増税法案実施の条件の景気回復を実現するために財務省は動くことになり、それは選挙前の円安株高で良く理解できる。安倍政権の経済再生は増税の為の道標であり、脱財務省ではない。尤も、経済産業省の改革派と呼ばれる元官僚がTPP参加や電力自由化の拡大、更には国民の為にならない規制緩和を仕掛けなければの話だが。財政しか考えない財務官僚は失われた15年のA戦犯だが、経済産業省もグローバル経済を読み誤った政策を続けて産業界をリードしたのでB級戦犯は免れない。

 何れにしても、二度目の登板となる安倍政権は財務大臣に麻生さんを就任させたことで経済再生の意気込みが伝わる。麻生さんが平成の高橋是清になるのを願うばかりだ。笑ったのは石原伸晃を環境大臣に任命したことだ。今回の安倍総理は良く考えている。久し振りに期待出来る内閣と思われるが、後は米国対する面従腹背を成し遂げられるかだ。それはTPPと沖縄・普天間基地移設問題が踏み絵となる。この問題を上手く処理しないと短命内閣に終わる可能性が高いが、安倍総理は乗り越える自信があると思われる。期待したい。

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