NHKが放送したダーンシフターの世論誘導の意図

先日、NHK公共放送がダーンシフターした家族のインタビューや動向を放送した。この番組を見た米国在住の親戚からメールで好感した印象を伝えてきた。三井物産OBの碌でもない会長が就任したと思ったらこの番組かと露骨な世論誘導には呆れた。ダーンシフターとは、高収入より家族との時間を大事にするために、敢えて低い収入に落として家族との時間を楽しんだり、後継者が不足している伝統工芸の道に進むことを指しているが、一見すると納得する番組構成だ。

しかし、金融資本主義が導入され、効率一辺倒の社会では、勝ち組が少なく、最終的に勝者は居なくなる経済システムになり、40才過ぎて失職した場合は否応なしにダーンシフターの生活が待っている現実を考えると、NHKの放送した番組は安倍ノミクスで更に競争社会になり、格差社会が拡張する先を見込んだ世論誘導と考えても良いと思われる。日本は少子高齢化社会だから雇用はあると勘違いすると思われるが、現在の経済力に必要な雇用者は誰でも良い訳ではない。高度な技術などを有した能力のある若い人は高い倍率で求人されるが、そうでない人達には否応なしに家族との時間が多くなる社会が待っている。

この様な推測をすると、被害妄想だと思われるかもしれないが、少子高齢化社会になって現行の経済水準を維持することは至難の業なのに、ダーンシフターを歓迎する様な番組を公共放送のNHKが放送する訳がない。何故、今、ダーンシフターなのかは一目瞭然だ。安倍ノミクスの社会は40才からのリストラでなく、30才からのリストラもあり、若くても雇用がない可能性が高くなるからだ。NHKの番組で時代遅れの英語の必要性を強調した朝ドラ「花となんとか」を放送しているから可笑しいなと思っていたら、今度はダーンシフターだ。TPP締結後に起きる大量の失業者と低所得層の出現を考えて、今から国は準備を始めたのである。TPP締結で潤うのは一部の大企業であり、ドメステックな中小企業や農村漁村山村は大きなダメージを受けるのは間違いない。

国家と言う存在は歴史から見ても国民に対して本当の事は言わない。国家は嘘つきである。この嘘を見抜くには、公共放送のNHKの番組構成や他のマスメディアの動きである。昔から読書に関して内容の全てを肯定して読んだのでは害になると言われたものだが、マスメディアの情報も穿った見方をして丁度バランスが良いのである。集団自衛権や憲法改正の先にあるのは、A級戦犯の孫の安倍総理が描くのは破綻の道だ。

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