トヨタ自動車のAA型種類株式発行と雑音

野村証券が幹事でトヨタ自動車が発行するAA型種類株式を募集している。第1回と謳っているので後続の発行もあると思われる。 トヨタ株式AA型.pdf

新聞にも報道されていたが読み過ごした為に株式の内容に関しては記憶になかった。しかし、トヨタ自動車の初めての女性役員の麻薬輸入の記事が掲載され、冷静に考えても麻薬輸入と騒ぎ立てる代物ではなかったので、マスコミの必要以上の喧騒には疑問が湧いてきた。

その時に、野村証券の営業マンから電話が入り、AA株式について案内された。電話では断ったが、近くまで来た時には時間が合えば会うと返答していたら、昨日に来訪して来たので、話を聞いてみた。株式の説明の前に雑談に終始したのだが、その時に自動車会社は新聞・TVにとっては上得意先だから今回のトヨタ役員の麻薬報道は可笑しいことを指摘したら、今の社長になって広告掲載のやり方が変わり、トヨタは今は必ずしも上得意先ではないとのことであった。そういえば、雑誌でトヨタの車の販売の仕方が消費者を巻き込むソーシャル的なイベントで売り込む方式に切り替えている記事を思い出した。

確かに、昔の新車販売の様な新聞・TV等に広告を流すやり方ではなくなったのは確かだと思われた。もし、今回の麻薬事件が広告媒体に関する方法の切り替えに対するマスコミの意趣返しだとすれば、マスコミなど社会の木鐸所か、高等乞食に戻ったと思わざるを得ない。

もっとも、新聞などマスコミは昔から政治家や役所などの広報宣伝を司り、酷い時には政敵などの追い落としに手を貸す記事を書いてきた。所詮は信用に足る代物ではない。

ただし、今回の麻薬事件は単純な構図ではないと推測される。AA株式はある意味では資本主義の形を変える内容と思わられるからだ。トヨタは長期的な開発を促進できる体制づくりの安定株主対策の一環として株主総会で議決権を有する非上場株式を発行するのだが、この意味するところは、近年の総会屋類の株主を封じ込める狙いがあるからだ。同様な安定株主対策としてフランスが株式保有期間による議決権の差別化を計画しているとの記事も目にしている。

実体経済の3倍以上の金が世界中に浮遊し、投機的な動きで市場経済を翻弄しているが、企業に対しても同様に企業の成長を損ねる必要以上の配当金要請など目に余る動きが多い。AA株式発行は正にその輩を封じ込める力がある。この種の株式は企業が購入するには売却に対する制限などがあるので、主として個人に対するものと言える。AA株式の5年定期利息2.5%は悪くはない。5年後に普通株式の転換も出来るので、尚更面白い。転換社債と似た商品だが、議決権や配当を考えたら全く別の商品だ。

さて、穿った見方を敢えてすれば、今回の麻薬事件の必要以上の報道は、トヨタのAA株式発行の妨害工作であり、第二弾のスキャンダルも控えているかもしれない。広告で面白くなかったマスコミが再度広告を得るためにトヨタ自動車のAA株式の募集の妨害に加担するとすれば、安倍首相は如何なる反応を起こすのか興味がある。安倍首相の日本経済再生の足を引っ張る行為をマスコミが行ったのならば国賊と言わざるを得ない。勿論、今回の麻薬事件の工作が何処で行われたかによるが、少なくても米国が絡んでいるのは確かだろう。

日米同盟など企業の争いからすれば何の価値もない。日本が生き残るには何処に軸足を置くかだ。大手マスコミなど信用したら国家が滅亡する。

  • entry604ツイート
  • Google+