"イットと、まちがわれて(実話IT業界の裏側)"を読んで

ネット作家の村上サガンがリアル本として出版した4冊目になる実話本を寄贈されて読んだ。著者が今回の本を書いた理由は、秋葉原通り魔事件の被害者「宮本直樹」氏との出会いにある。結論から言えば、村上サガンがIT業界で成功した切っ掛けが宮本直樹氏だったからだ

私は村上サガンと出会ったのは今から16年前に遡る。村上氏がサラリーマン時代に起きたトラブルに対する解決のために弁護士を紹介したことが縁だった。その縁も私の大学時代の友人の高校時代の同級生であったコピーライターの知人の紹介だった。コピーライターは京都の大学を出て東京に就職する時に大学時代の友人から東京の住居を探す手伝いをした縁であった。正に友達の輪を地で言った関係だ。件のコピーライターと村上氏は音楽バンドを通じて知り合ったとの事を聞いていたが、私の知り合いの中では二人とも頭が良いが変わった人物でもある。

今回の本で改めて分かったのは、私が紹介した弁護士が凄腕で村上氏のトラブルを解決したことが、村上氏が我が社のIT関係に協力してくれる事になった縁だ。もっとも、本の中では私がコンピューターに無知な人物として描かれているが、私は大学時代に専攻した学科が電子工学なので多少はIT関係の知識は持ち合わせていたのを村上氏は知らなかったのか、本の流れで無知にした方が良いと思ったのかは分からない。

本自体はIT業界の裏側を書かれているので面白く読んだ。特に、初期のIT業界に暴力団が絡んでいることは聞いていたが、その事が事実であったことに触れている。また、プログラマーは社交的に苦手な人が多い事や統合失調症を病んでいる人など管理するのが大変な集団であることも分かった。派遣で成り立っているシステム構築では常に問題が内在することも指摘されており、社会保険庁のデータ消失問題にも触れており、行政のIT無知は今でも変わっていない事に不安を覚える。

同書は初版本は少ないこともあるが、既に初版本は売り切れて二版目に入ったそうだ。編集は編集プロットを使用して村上氏が自分で行った面もあり、専門の編集者があまり関与していない事もあるので多少雑だが、安い本(定価499円)に仕上げるので仕方がないと考える。IT業界に興味があれば一読したい本であることは確かだ。

  • entry615ツイート
  • Google+