雑感

リオオリンピックで日本は多くのメダルを獲得した。子供の頃からクラブに入り良きコーチに指導を得たことも一因と思われるが、選手のインタビューを聞いていると過去の東京オリンピック当時の日本の為にと言う言葉ではなく、自分やチームの為に頑張ったと答えたのが印象的だった。我々の世代は戦前の教育を受けた世代を親に持っているので滅私奉公が根底にある。それがプレッシャーになり力を発揮できなかったケースも見られた。特に、マスコミなどは選手に日本を意識させるインタビューを行って余計なプレッシャーを与えていた。漸く日本も島国根性から解放されたかと嬉しくなる。

しかし、余計なお世話かもしれないが、今回のリオオリンピックのメダル獲得は予想以上のものと思われ、4年後の東京オリンピックでは今回以上のメダルを期待されることになり、大変と思っている関係者もいると思われる。運動団体は閉鎖的な上、昨今は利権とも関係しているので、厄介な存在であることは確かだ。私の友人の娘さんがNYで育ち日本の有名大学を卒業し、スイスにあるオリンピック委員会指定の大学の大学院で学んで日本のオリンピック関係の組織に就職を希望したが、日本で運動選手の実績がないとの理由で働くことが出来なかった。世界中から学びに来ており、全ての生徒は卒業後に母国のオリンピック組織に就職しているとのことで、日本だけが受け入れないのを聞くと情けない気がする。友人の娘さんは今は全米テニス協会に正社員として採用され、忙しい日々を過ごしている。

運動選手として実績を上げた人しか受け入れない組織は、大きく時代が変わろうとする現代で多様な知見が必要とされる時代に合っては滅亡した恐竜ならないかと心配する。勿論、体操競技で団体金メダルを取った内村を筆頭にした選手を見ると運動選手としての能力だけでなく、人格を備えているので、彼らが指導者として成長すればと期待したい。余計なお世話と言われそうだ。

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