スルガ銀行のシェアハウス「かぼちゃの馬車」問題!!

日経新聞に金融庁幹部が標題の問題に関して、「まっとうなビジネスに戻して『群れ』に紛れてしまうなら本物でなかったということだ」と評したと書かれていた。金融庁の役人、今は外国の金融機関など民間企業からのスタッフもいるらしいが、デジタル革命が引き起こした低金利にあって収益を見出させない金融機関の対して机上の理論で評して本質的な問題を避けているのは見過ごせない。この為、今後も同様な事件は起きると推定されるので、何が起きたのかを検証してみることにする。不動産業界に革命を起こすには、「税法を読み解くか」、「建築基準法などの法律に対する発想の逆転をするか」、「常識を覆すか」、「需要を読んで先行する」などが必要になる。今回の融資対象の女性専用のシャエハウス「かぼちゃの馬車」の発想は業界に新風を巻き起こすほどの商品でないことは一目瞭然だ。女性専用は古くはサウナ風呂に、その後ビジネスホテルに、最近では通勤電車に採用されている。この他にも女性専用と謳う広告は見かけるが、ビジネス的に拡大しているとは思われない。なお、学生向けの女子寮や会社の女子寮も古くからあるが、女性専用とは言わないので、女性専用とは男女混合施設を専ら女性用として利用する施設と定義できる。通勤電車の一部車両を女性専用にするのは痴漢防止などの目的があるので意義があるが、シェアハウスを投資物件として位置付けて女性専用とした場合に男女混合より入居率が高まり、月額使用料が高くなる理由が理解できない。業界に革命的な衝撃を与えると言う観点からは、「かぼちゃの馬車」に関しては「常識を覆す」か「需要を読んで先行する」かに該当するかだが、女性専用の言葉自体は目新しくもなく、女性専用のアパートやマンションの需要が高いと聞いていないので、シェアハウスの女性専用化のビジネスモデルが成立する意義が見いだせない。運営業者のスマートデイズの社長が出版した書籍の影響で女性専用シェアハウスに対する投資家の評価が高まったと言われているが、仮に書籍の影響だとすれば、情報化時代に書籍位で理由なき熱狂を産み投資家が急増した背景を分析することは必要と考えられる。

<次回に続く>

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