メディアの"正義"とは何か

米国の大学の講義の様な表題だが、昨今のマスコミ報道で感じる"正義"に対する疑問だ。桜田五輪担当相の発言が切り取られた内容であり、正しく意味を伝えてないと指摘されたが、正に正義を振りかざすメディアの報道が何を意図したものかを考える必要がある。レオパレス事件も同様かもしれない。同社はサブリースの条件変更から端を発したオーナー裁判で騒動が始まったが、サブリースの条件変更はレオパレスの専売特許ではない。バブル経済崩壊後に大手不動産会社と貸し手側の企業との間でサブリースに関する裁判があり、この時に悪例となるような緊急避難的にサブリースに対する条件変更を認める判決が出たのである。レオパレスは判例を踏まえての対応と推定できる。今回の報道で気になるのは国の仕様と違うと何度も言及している点である。建築基準法の改正で基準が仕様から性能に変更されたのを知らないのかと言いたい報道だ。勿論、今回のレオパレスの施工不良に関しては会社も認めている様なので、直接的に同社の施工不良問題に言及するつもりはないが、正義を振りかざすならば建築基準法の改正推移や消防法の改正推移に照らし合わせた書き方が必要ではないか。目まぐるしく法律や制度が変わっている今日では知識の更新が必要以上にスピードアップしてるので、間違った正義の報道もあると推測できる。同時に、一つの企業が必要以上に叩かれる時には、別な動きがあるときである。私にもバブル経済崩壊後に不条理な大企業の攻撃を受けたことがある。その攻撃とは、メインバンクからグループ会社の大手不動産会社に弊社が所有・管理するビルのテナントの契約情報が洩れ、テナントの引き抜きにあった事である。メインバンクに抗議したが、当然にメインバンクはその様な事実はないし、あり得ないと反論したので、私は弊社も大手不動産の所有ビルのテナントの引き抜きと賃料引き下げ交渉のコンサルタントを受けて徹底的に戦う事をグループ会社の不動産会社の伝えることを要請して辞去した。その後に、弊社ビルのテナント引き抜きがピッタリ止まったのは言うまでもない。レオパレスの事件は不動産業界のおけるパイの奪い合いに入ったことを予期されるものと言える。東京オリンピックで世間は湧いているが、業界は一歩先を読んで戦いを仕掛けたのかもしれない。特に、オフィスがシェアオフィスやサテライトなど多様化するに際して居住との関連もこれまで以上に強くなる可能性があり、大手不動産会社などでは全部賃貸しするシステムの構築に動き始めているかもしれない。この構築に会員制システムで居住者を囲い込んでいるレオパレスの存在は邪魔な存在に映ると思われる。映画のタイトルの様だが、"邪魔者は消せ"で動いていることを否定できない。特に、メディアが"正義"を振りかざす時には要注意だ。国民は利用される。

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