空の文化

近年の政治家・官僚の劣化、情報化時代のSNSの虚偽情報、研究者の論文偽造、学者の補助金横領など一般人から相当の地位のある人達のインテグリティの欠如は枚挙にいとまがない。新型コロナ下での東京オリンピック開催は国民を無視したばかりではなく、感染対策に知恵も出ない無能さには呆れるばかりだ。尤も、菅首相は息子が利権の真っ只中にあるのに国会で知らぬ存ぜずで押し通せる政治を見るにつけ、社会倫理の喪失は25年前のバブル経済崩壊後の後遺症と思われる。金融機関などは最たるもので、お客に無理やり貸し付けた資金を鬼の様に回収した姿は社会全体に不信を拡散させた。真面目に対応した会社は潰され、嘘八百で押し通した会社は生き残った。バブル経済崩壊後に米国から導入された金融資本主義とグローバル経済、更に経済界の経営者の劣化による非正規雇用制度の受け入れは今日の少子化を加速させた。この様に書き進むと悲観的過ぎると言われそうだが、日本人と言う民族を振り返ると、日本人が変質したのではなく、本来持っている資質ではないかと思われる。仏教伝来の前は神道が日本人の魂の源である。その神道の御霊は空なのである。空とはある意味後出しじゃんけんが出来る存在なのだ。DNAの解析が進み、日本人の源流を探る書物も多く出て来ているが、それと別に言葉体系から探る研究も進んでいる。日本語は最後に結論を出せる言語で、その様な形式は韓国語も似ている。しかし、学者の研究では日本語は何処の系統にも属さない為に言語からでは源流をたどれない様だ。勿論、半可通の私の見解は間違ってる可能性もあるのでご承知願いたい。そのことを付け加えないと虚偽情報の発信者の類に分類されてしまう。しかし、伊勢神宮の社殿から市中に祭っているお稲荷さんの祠まで中は空なのである。私が指摘しているのは祠に収まっている御霊のことでお札の類ではない。御霊は空なのである。日本の文化は内と外があるが、内の御霊は空であり、外は無駄がない引き算された様式美である。前者は何にでも変わることが出来ることを意味し、後者は何を意味するのだろうか。自然風土の厳しい中で培われた文化であるので、表面的には情けなく見えるが、実際にはどの様な逆境にも生きる力を持った国民性かもしれない。新型コロナに対しても無能な政治に期待することなく、自身で克服する知恵を持っと居ると思われる。それが空の文化・・・・・・・。

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