円安を再考

今回の円安を悪い円安でないとの発言が聞かれる。確かに、グローバル経済となり、多くの企業が海外に出て拠点や工場を持っている。過去の円安の場合には稼いだ資金を全部国内に還流させていたので、バブル経済も引き起こしている。しかし、今は稼いだ金を日本に全部は持ち込まずに海外にドルで保有や運用しているケースも多い。勿論、海外に置いてあるドル資金やユーロ―資金の比率も関係するが、過去の様に円安で受ける企業のダメージは少ないと思料できる。一方、円安だと海外で稼いだドルを円に換金すると国内的には利得が増えることになる。円高ドル安ならば海外にドルで保有・運用し、円安になれば国内に送金すると言う考え方もある。円安に関しては労働者不足に対する海外からの労働者受け入れに関しても大きなマイナスになるし、エネルギーの海外依存、食料自給率の低さを考えると円安は大きなマイナスである。冒頭の今回の円安が悪い円安ではないは日本国全体で考えると妥当とは思われない。145円で為替介入を行ったが、145円から150円を維持することが分かってしまうと投機筋の餌食にされる。過去には馬鹿な為替介入で大きな国富が失われた。財務大臣が145円になったので為替に介入したと発言したが、日本人の馬鹿さ加減には呆れる。尤も、投機筋と結託して国富を売り渡す売国奴もいるかもしれない。なお、米国の利上げによる円安との見方から米国のインフレ退治の利上げは長くは続かないと見て1年後には130円台に戻ると言う見方をしている経済人もいるが、本当にそうであろうか。ロシアのウクライナ侵略と中国の台湾統合の問題から地政学的にリスクが高まっていることもあり、今回の円安が米国の金利上昇だけの要因でないかもしれない。小局ばかりで大局を見ない政治家ばかりだ。経済人も同様で小物ばかりだ。非正規雇用者を決めた時点で少子化の加速は予期できた筈だ。非正規雇用で結婚なんか出来ない。米国は移民の国なので非正規雇用者を作っても変わらないが、移民を受け入れない日本が米国と同様な制度を作るとどうなるかは自明のことだ。もし、分からなかったとすれば大バカ者たちだ。予測以上の少子高齢化が円安を招いている可能性もある。米国の金利の上昇で円安になったかもしれないが、今回の円安を切っ掛けに日本の弱点に対するリスクに目が行けば円高になることはないかもしれない。もっと深く円安を考察し、悪い円安ではないとの見方について考えると、代替エネルギーの開発、食料の自給率の拡大、海外の工場をAIロボット化の導入で国内に回帰させるなど中長期的にプラスになる可能性がある。何れにしても無理して円高にしないで社会環境や経済環境を変える考え方が必要かもしれない。円高の場合には国内より海外から購入する方が安いのでデフレ経済をもたらしましたが、今回の円安が日本の環境変化のターニングポイントになれば悪い円安ではないかもしれない。適度なインフレと人件費のアップ、更に金利が上げれば消費も増加し、景気も上昇すると期待できる。勿論、このシナリオを壊す売国奴が居ない条件が付くが。

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