「他喜力」を実践する真の経営者がいなくなった
1月24日(日)の読売新聞の出版紹介の記事を読んで考えさせられた。新著「最幸の法則(ダイヤモンド社)」の著者はメンタルトレーナーとして有名な西田文朗さんと紹介されていたが、私は著者の事を知らなかった。記事の要約によれば、成功には、ビジネスで他者に勝つ「社会的成功」と、他者を受け入れる「人間的成功」があり、「かっての経営者は、社会的成功とともに、人間的成功を目指す思想家であり、教育者だった」と言う。ところが最近は、「社会的成功だけを求める人が増え、家族を喜ばさせた、社員を喜ばせたいと言った、一番大切にすべきところが崩壊している」と著者は指摘しているとのことであった。更に、究極の成功とは、生きて喜ばれ、死んでも人に惜しまれる。これこそが、人間の成功だと言われてきたが、現代では感謝の心を忘れ、攻めて勝つだけを考える経営者が増えてしまったと著者は語っているとのことであった。日本の商人には、売り手、買い手の他に世間も良くする「三方良し」の理念があったとのことで、「増収増益を目指す社会的成功も大事だが、仕事を通じて世間を良くするという志がないと、子供が立派に育たない」と言う言葉は身に沁みた。確かに、現代の社会で成功者と言われる経営者には上記に該当する人物が殆んどいない。当社の創業者は正に著者が指摘する「他喜力」を実践する真の経営者であった。当社のHPの社是は創業者が作ったものだが、興味の有る方はHPをご覧頂きたい。現社長の私は「社会的成功」には程遠い経営者だが、「人間的成功」だけは実現したいと思っている。