サービス業の究極的な顧客対応

ホテルなどのサービス業は今回の新型コロナ感染で大きな影響を受けたのだが、その中でも流石に帝国ホテルは顧客の情報を大事に取り扱っていると改めて再確認した。今から34年前の先代社長時代にアーバン虎ノ門ビルの落成式祝賀と開発会社の創立8周年を兼ねて帝国ホテルで式典を開いた。この時は私は取締役統括部長の職責にあり、壇上で出席の方々に会社の後継者としてお礼のご挨拶を述べた。バブル経済の真っ只中であったので、多くの方々の出席を得て盛大に行うことが出来た。しかし、その後はバブル経済の崩壊や先代社長の早い永眠もあり、帝国ホテルで宴を開くこともなかった。当時は開発会社として宴会を開いたので、持株会社である親会社に関しては帝国ホテル側ではあまり認識はなかったと思われる。しかし、現在親会社の後継者になっている甥が子供時代に参加した帝国ホテルでの式典に強い印象を受けていたのか分からないが、この度帝国ホテルで記念式典を開く計画を立案し帝国ホテルに打診した所、34年前の式典の内容を持参して営業マンが来社した。当時の統括部長の私が現在会長になっていることも確認しての資料で、甥の社長は感激していた。正に一期一会の再来だ。確かに、帝国ホテルではないが、同様の格式のあるホテルに先代社長と一緒に車で行ったときに、ホテルのドアマンが私に先代社長の姓を聞いてきたことがある。帰りにドアを出た時にドアマンが名前を告げて運転手を呼んだのを聞いてサービスの仕方に一流は違うと思ったのを思い出した。その後、そのホテルに再度行った時にドアマンは名前を記憶していて再度聞かなくても運転手を呼び出した。新型コロナでサービス業が大きな影響を受けたので、アフターコロナの社会変化でホテルのサービスも変わる可能性もあるかと思いを巡らした。帝国ホテルは建て替え計画が予定されていることが新聞記事に出ていたので、現行の建物で式典が行えれば先代社長に良い土産話になると思った次第だ。

日本語は高文脈言語

日本語は高文脈言語だそうだ。それに対してグローバルな言語としての英語は低文脈言語と言われている。日常使う言語で思考も形成されるので、言語文化の違いで意思疎通が図れない場合も起きそうだ。日本では"忖度"が話題になるが、英語の言語を使う人にとってはではありえない世界だ。もっとも、日本語を使う日本人でも地域差があるのは確かだ。それを理解したのはパートナーとの出会いだ。私は出身が茨城県北部だが、パートナーは広島県出身だ。茨城県に北部を加えたのは茨城県の中でも違いがあるからだ。実は茨城県北部の人達は、明後日のことを明日明後日と表現する。当然に一昨日を昨日一昨日と表現する。この表現は正に英語の表現と同じだからだ。明後日は英語で「The day after tomorrow」、同様に一昨日は「The day befor yesterday」、英語圏の人と同様に茨城人は忖度しない県民でもある。反対に広島県人は忖度の典型的な県民だと思われる。以前に、一級建築士で故郷の建設会社に転職した人から聞いた話では、「のう↗)」、「のう→」、「のう↘」の3通りの言い方で通じるらしい。その知人は転職前に長く東京の会社に勤務していたので、転職して最初は戸惑ったらしいが、改めて余計なことを言わずに通じる文化を思い出したらしい。勿論、広島県人は比較的に口数が少ないが、上記の3通りで全てが通じるわけではない。私の経験では、義兄と義姉の会話で尾道ラーメンが食べたかったのに日本蕎麦屋に連れられてしまった出来事があった。然し乍ら、日本人は古来「沈黙は金」、「雄弁は銀」の表現があるので、私の様な茨城人は日本人としては少数の部類かもしれない。過去に米国人の女性と結婚し米国から帰国していた秋田出身の知人に、関さんと出会って「沈黙は金」と言うのは間違いだと気が付いたと冗談で言われたことがある。知人は米国人の女性と結婚して口数が少ないから大変ではないかと思っていたら、知人の奥さんが彼の事を余り話さないので困ると言っていた。英語圏の人は無口ではないのだと思った次第だ。そう考えると、中国人は良く喋るので、英語圏の人達とは相性が良いのではと思ったが、中国語自体は饒舌な言語ではないと思われる。ビジネスでは互いに理解しないと商談にならないが、茨城人は忖度も出来ない上に媚びないので生き方は下手で、事業家としては大成した人は少ない。英語圏に生まれたら成功していたかもしれないが。

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