モラル喪失の世代

日本国にとって悲劇なのは20年前にバブル経済が崩壊した後に出てきた社会の牽引世代が、太平洋戦争敗戦後の価値観混乱時代に幼少期を過ごした人達であったことである。もちろん、その世代をひと括りにして論じるつもりも無いが、その世代のモラル喪失は他の世代と比べて目に余るからである。政治家で言えば、小泉純一郎元首相であり、現民主党の小沢一郎を含めた上の世代である。小泉が先鞭を付けたのが、不祥事を起こしても閣僚を辞めさせなかったことである。小沢一郎も問題とされたのは政治資金規正法に係る形式的なミスであると居直っている姿は典型的なモラル欠如世代の生き様である。法律を作る側の政治家は罪状の軽重に関わらず重い責任がある事を省みない態度は最低である。経済界を見ても不倫写真を撮られても意に介さず居座っている姿を見ると情けないのひと言である。この世代が引き起こした刑事事件は枚挙に暇が無いが、困った事にはモラル喪失世代の子供達が親の生き方を継承して社会に悪影響をもたらしている事である。更に、問題なのはモラル喪失世代がトップの地位にいるためにその後継者達もモラル喪失の踏み絵を踏んだ者たちであることである。この様な悪循環が何時まで続くのかと思い遣られるが、今回の世界的な金融危機を乗り越えるには「ニューノーマル」が必要といわれているので、モラル喪失世代や後継者などが淘汰され、新しい指導者の出現を期待したい。

政治のレベルは国民のレベルで国民のレベルはマスコミのレベル

良く政治のレベルは国民のレベルと言われるが、一般新聞や経済新聞を読む人が多い日本の様な国ではマスコミの影響力が大きく、国民の意見は即マスコミの報道姿勢に直結しているので、国民のレベルはマスコミのレベルと3段論法的に言えるかも知れない。この様に考えると、マスコミのレベルが低いため政治のレベルも低いと結論付けられる。本当に驚くのは多くの人たちの意見はマスコミが流した報道を鵜呑みにしたものである事実である。かなり知的水準が高い人でも同様なのだから怖い話である。なお、良く世論調査などの結果を新聞・TVは報道しているが、多くの場合は答えに迷っている時に誘導尋問的な言い方によって答えているケースが多いので当てにならないと思われるのに、マスコミは金科玉条の如く世論調査を国民に流して恣意的に世論を誘導している。現代のIT社会では漸くマスコミ以外の情報も入手出来る様になったが、問題は信憑性の基準が不明確なためインサイダーの様な情報以外には信憑性の面で疑問視されていることである。しかし、IT社会の普及で新聞を購読しない世代が増え、デジタル放送になれば双方向の情報やTV番組も提供されるので、一般紙の購読はチラシによって支えられる主婦レベルに落ちてしまうかもしれない。そうなればマスコミが誘導してきた世論が終わり、漸く政治が変わるかもしれない。
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