大阪高裁が更新料の支払は消費契約に抵触するとして無効判決を決定した。判決文を読んでいないので詳細は不明だが、インターネット情報を見ると契約概要は賃料38,000円、契約1年毎に更新料賃料の2ヶ月、他に定額補修分担金なるものを課していたとのことである。確かに、契約1年毎に更新料として賃料の2ヶ月分、更に定額補修分担金を見る限り、一般的な契約から逸脱していると判断出来る。しかし、契約形式は様々な形態があった方が借りる人に取っては選択肢が広がるのでプラスの面がある。今回の契約で問題なのは、通常の契約と比較して賃借人が著しく不利な契約を強いられていると言う事なのであろうが、現代は多くの賃貸しマンションが様々な条件で入居者を募集しており、賃借人はこの物件以外の選択肢が無かったわけではないと推測する。誰が見ても、賃料38,000円は安いと判断できるので、1年毎の更新料として支払った賃料の2ヶ月分を月額に換算すると6,333円であり、この金額を賃料38,000円に加算した場合には、賃料は44,333円となる。入居物件の相場としてこの賃料が高いのか安いのかであろう。この契約方式は後払い方式の変形と看做すことも出来る。厄介な問題は定額補修費の徴収と考えられるが、此れにしても上記の考え方で月額に均したとすれば賃料は相場と比較して高いのか安いのかと言うことであろう。選択肢の多い時代に消費契約から判断すれば違法であると結論付けられては、管理会社の企画力が否定されてしまう。高齢化社会で判断が劣る高齢者の保護のために成立したと考えられる諸費者契約法が過剰な消費者保護となれば企業の自由度が失われてしまい、日本全体の活力がなくなる恐れがある。実務を知らない裁判官が誤った方向に導いてしまう怖さがある。