待ち望んでいる三陸産の生ワカメ

3月11日を境に当家の食卓から三陸産の生ワカメが消えた。髪の毛が寂しくなっている私なので海藻類は好んで食べるのだが、色々と食べてきたワカメの中でも三陸さんの生ワカメはは歯ごたえと新鮮さでは別格であった、他の生ワカメと比較して多少高くはあったが三陸産の生ワカメは美味だった。三陸海岸の津波による惨状を目の当たりにし、数年間は口にする事は出来ないかも知れないと言う思いが過ぎった。田舎の母も三陸産の生ワカメを食していたことがお盆に帰郷して分かった。宮城県の村井知事が特別区なる構想で漁業の再生を考えているらしいが、今以て具体的な動きになっていない。無責任な構想だけでは逆に三陸の漁業は死んでしまう。漁業の現場を知らない政治家達や官僚は自分達が衰退させたにも拘らず無責任な発言が多いが、三陸地域の漁業関係者の危機感は悠長な政治家や役人とは違っていた。昨夜見たNHKの午後9時のドキュメンタリーは三陸の漁業者が正に行政の支援なしで皆で力を合せて大地震と津波から乗り切って来春にはワカメを出荷できる迄に到ったドラマであった。今回のドキュメンタリーで思ったことは日本の農村と漁村が衰退した原因は行政にあることが理解できた。行政が余計なことをやる度に農業も漁業も林業も駄目になって行った。宮城県の村井知事は特区で漁業再生などと戯言を言っているが、容だけを作っても意味がないことを理解すべきだ。村井知事は考え方が自民党の小泉に似ているのでミニ小泉などと言われているそうだが、今回の地震で東北三県の中で最も行政が機能しなかった県であることを理解しているのかだ。大規模漁業で再生すると言うなら水産大手の大洋漁業や消えた日魯漁業はどうなっているかと聞きたい。国家などの行政支援を待っていては地域に住民が居なくなる危機感から自らが動いて他地域のボランティア支援を得て新しい道路建設や漁港内の廃棄物を片付け、更にが大型漁船まで購入して頑張る三陸地域の漁業の素晴らしき人達を見て目に涙が溢れた。それに付けても何の役にも立っていない政治と行政には怒りが生じると共に、大震災と放射能除線の目途もたっていないのにTPP参加などといっている野田政権に希望はない。私は三陸産の生ワカメを購入する事位しか出来ないが、今から春に出荷される生ワカメを待ち望んでいる。衣食足りて礼節を知ると言う故語があるが、今の日本人は衣食が足りすぎて礼節を失っており、その代表が政治家と役人だ。地域の人は助け合い厳しさに立ち向かっている。三陸地域の人達を見ていると大きな政府など必要なく、逆に小さな政府で良い事が改めて思われた。消費税値上げなど必要なく、国有財産を売却して借金を返し、小さな政府になることが、地方再生、特に漁業、農業、林業の再生に繫がる事が改めて分かった。
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