TPPは新保護貿易主義の変形ではないか?
TPPのTrans Pacific Partnershipは、所謂多国間自由貿易主義と名付けられているが、実態は囲い込みの新保護貿易主義に他ならない。IMFのトップが来日して自由貿易を維持するためにECを支援して欲しい旨の発言をしたが、EUこそユーロを統一通貨として保護貿易に向かいつつあったのではなかったか。1930年の大恐慌後の保護貿易主義は英国など植民地を有している国々が植民地貿易を盟主国が独占したもので、現代の様相とはまるっきり違う。米国のTPP推進はEUを睨んでの貿易国の囲い込み競争の感がある。EUが貿易において基準作りを始め、各国がEU内の諸国と貿易する為にはその基準を守らなければ行わせないと言うことを進めた。このことは一種の保護貿易主義の変り種なのに、日本の政治家や官僚、そしてマスコミも能天気に単なる基準作りと考えている節が見える。しかし、米国はEUの狙いを読み、更に中国の台頭を抑止することを目的にTPPを打ち出したのである。自由貿易主義を推進するのは各国に違いがあるのは当然なので国対国の交渉で行うべきものである。ロシアも新保護貿易主義の匂いを感じ、旧ソ連時代の衛星国との再連携を打ち出した。この流れから中国もTPPと同様の経済圏の囲い込みを開始すると想定できる。日本の政治理念からすればTPPの参加は理念から外れるものであり、危険な新保護貿易主義の競争に加担することになってしまう。日本は明治維新後の国づくりで大きな誤りを犯したのに、再度TPP参加で誤りの道を歩もうとしている。日本はアジア人である。中国と韓国、そして台湾を貿易関係国とし、更に東南アジアの国々との経済連携を強化することが重要なのである。米国はアジアの国ではない。太平洋国家の一員でもない。米中に対し等距離を置く事こそ日本が世界経済に貢献できることである。馬鹿な政治家と馬鹿な官僚がマスメディアに誤魔化されて間違った道を進んでいる。絶対に阻止する必要がある。多国間自由貿易主義とは新保護貿易主義の台頭であることを理解すべきだ。