前中日監督・落合博満の著作「采配」を読んで

指導者として以前から興味を持っていたので、中日監督退任と同時に発売された著作「采配」を購入し、23日の勤労感謝の日に一気に読んだ。私自身は野球と言うスポーツには子供の頃から余り興味が無かった。成長過程で野球と自動車に興味がないのは時代的に子供同士のコミュニケーションに欠ける嫌いもあったが、好きになれないものは仕方が無かった。尤も、自動車嫌いは父親との関係で生じたものであるから野球とは別な理由であった。振り返ってみると、私自身は団体スポーツが好きでなかったのである。団体競技で行ったスポーツは唯一中学時代のバスケットボールである。小学生の時には高学年で剣道を遣り、中学時代には趣味的には色々な運動をしたが、クラブ活動としてはバスケットボールに所属した。勿論、個人競技として卓球部があったが、不思議と眼中に入らなかった。高校時代は体育の授業で剣道と柔道を学び、部活動としては応援指導部に入った。そして大学時代は運動としてはボクシング部に入り、趣味として登山に熱中した。話が大分横道にされたが、野球に関心がない私でも落合博満と言う人物には興味があった。落合監督は秋田県立秋田工業高校出身で東洋大学中退なのだが、大学は野球で入ったと思われるので、学力を見るには秋田工業高校になる。落合世代は未だ大学進学率は低く、学力があっても家に資力がなければ実業学校に入った時代である。私の優秀な同級生も資力的に大学に進めない者は水戸工業高校、水戸商業高校や水戸農業高校に入学している。落合監督は県庁所在地の秋田市内の工業高校に入学できたのであるから中学時代の成績は良かったと推定できる。今話題の読売新聞の渡辺会長が、巨人軍の原監督と落合監督を評して言った「落合の方が頭が良い」の言葉を思い出した。確かに、落合監督は頭が良いと思われるが、それ以上に"采配"に書いている通り、落合監督は最初から野球エリートでななく、紆余曲折を経てプロになり、その後は誰も成し得なかった三冠王3度を獲得して漸く野球エリートの道に乗り、45歳迄現役を貫いた。この経験が監督として生きていると書かれているが、正に努力の人である落合選手を名監督に育んだ環境があったと思われる。落合監督自身が語っている様に確かに野球選手は個人事業主であり、1年毎の契約の世界であり、競争社会である。当然に若い世代との時代ギャップもあるのだろうが、そのギャップを克服している姿には驚く。又、コーチに関しても仲間を呼ぶと言う考えは全くなく、実力主義を貫いている姿にも孤独に強い落合監督が見えてくる。私自身も経営者の端くれだから落合監督の「孤独に勝てなければ勝負に勝てない」と言う言葉は身に染みる。当社の先代社長が私に残した言葉も「経営者は孤独である。孤独に勝たないと経営者になれない。」であった。当社の先代社長も自ら自覚しないと仕事は出来ないと言う考えの経営者であったので、私が入社しても何も業務について細かい指図は呉れなかった。このため、自分の立場を考えて業務の指図を仰いだのだが、落合監督も正に同じような考え方をする人である様だ。自らが考えて動かなければ身に着かない事を良く知っている人である。"采配"の中で器用で勘が良い者に対して面白い見方をしていたのに興味がそそられた。「勘が良く直ぐに覚えるものは直ぐ忘れるが、覚えが悪い者は只管練習するので覚えると忘れない」と書いていた。スポーツ選手は器用貧乏では大成しないと言うことであろう。本を読み進むに連れて分かったことは、落合監督も団体スポーツの野球を選んだが、本質的には個人競技の人ではないかと言うことであった。当社の先代社長も個人競技の柔道部に入り、茨城県で勝ち抜いて全国大会に出場した程の猛者であった。勿論、大学時代も柔道で汗を流し有段者であった。個人競技者は人と群れることを好まない。落合監督の書籍から判断してだが、個人競技に進んだ人は孤独に強く、指導者に向いているのかもしれない。翻って、最も指導者に向かないのは団体競技のプレイヤーで最初からエリートの人かもしれないと思った次第である。何れにしても、落合監督の「采配」を読んで彼が優秀な指導者であり、然も人間自身を良く知っているのには驚かされた。

hpgrp GALLERY東京 11月以降の展示会のお知らせ

hpgrp GALLERY東京の11月からの展覧会情報をお送りいたします。
また、下記のとおり、オープニングレセプションを開催致しますので、
ご多忙中とは存じますが、皆様お誘い合わせの上、是非とも
ご来廊賜りますようお願い申し上げます。


■伊藤 一洋 「unknown touches」
会期:2011年11月30日(水) - 2012年1月15日(日)
オープニングレセプション:2011年11月30日(水) 19:00~21:00
※今回のオープニングは水曜日に開催いたします。
また、19:00まで準備のため閉廊させていただきますのでご注意ください。
会場:hpgrp GALLERY 東京

ブロンズの可能性に挑み続ける彫刻家、伊藤一洋の新作展をご案内申し上げます。
黒く佇み現在の人間(我々)を表す「Dear Blind Phantom」シリーズ、
未来に現れるであろう新種の生命体の象徴として黄金色に輝くまで磨かれた
「Liquid Golden Baby」シリーズ、そして未知の存在、宇宙人として白銀色に輝く
「Starman Loves You」シリーズを中心にブロンズ彫刻を作り続ける伊藤は、
本展でも引き続き「彫刻は最終的には一枚の板、一本の棒になる」という
自身の彫刻哲学に基づいた作品を披露致します。

原型を作らずにブロンズの塊そのものから形を見出していくその手法は、
ブロンズ=鋳造という概念を覆すだけではなく、素材の永遠性と技法の即興性
という時間軸のコントラストを含みます。
制作過程で生まれる偶発的な形状と、磨きあげられた部分との視覚的対比も
重なり、単一素材とは思えない程豊かな表情を見せてくれる伊藤彫刻をこの機会に
ぜひご高覧ください。

伊藤一洋 Kazuhiro Ito
1972年  福岡県生まれ
1997年  武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業

【個展】
2010 「fallen genius」hpgrpギャラリー東京(東京)
「The return of the thin bright duke」 ヤマネアートラボ(福岡)
2009 「Evidence」 hpgrpギャラリー東京(東京)
2008 「The baby can dance, phantom cry」 hpgrpギャラリー東京(東京)
2007 「LIQUID GOLDEN BABIES」ギャルリー東京ユマニテ(東京)
2006 「LIQUID GOLDEN BABY」to.ko.po.la(福岡)
2005 「彫刻の本能 vol.2」 なびす画廊(東京)
2002 なびす画廊(東京)
2000 「焼かれ猿、立ち眩んで半歩」田中画廊(東京)
1999 「焼かれ猿の顎」田中画廊(東京)

【グループ展】
2010 「love and punishment」 aura gallery (北京)
   「久月」 aura gallery (北京)
   「DIMENSIONS-版表現、その広がり-」
東京日本橋高島屋6階美術画廊X (東京)
2009 「掌9」ラディウム レントゲンヴェルケ(東京)
2008 「Moeglichkei(t メークリヒカイト)」
ラディウム レントゲンヴェルケ(東京)
   「無題/UNTITLED」 hpgrpギャラリー東京(東京)
2007 「彫刻の本能 vol.3」 hpgrpギャラリー東京(東京)
2005 「奇妙な庭、にて」田中画廊(東京)
2004 三人展「火群の芽」桃林堂画廊(東京)
2003 二人展「彫刻の本能」なびす画廊(東京)
ギャラリーなつか(東京)
「Melting Pot」田中画廊(東京)

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■伊藤一洋展示情報
本展覧会に引き続き、1月13日(金)より佐藤美術館での展覧会
「sogno・夢~彫刻家二田原英二と次代を担う作家展~」に参加いたします。
こちらも合わせて是非ご覧いただきますようお願いいたします。

「sogno・夢~彫刻家二田原英二と次代を担う作家展~」
会期:2012年1月13日(金) -3月4 日(日)
会場:佐藤美術館 160-0015 東京都新宿区大京町31-10 TEL.03-3358-6021
website: http://homepage3.nifty.com/sato-museum/index.html
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■冬季休廊のお知らせ
hpgrp GALLERY東京は、12月30日(金)より1月3日(火)まで
冬季休廊とさせていただきます。
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■twitter、Facebookでもhpgrp GALLERY東京の情報をお知らせしております。
是非ご覧ください。

twitter: http://twitter.com/hpgrpgallery
Facebook: https://www.facebook.com/H.P.FRANCE.hpgrpGALLERYTOKYO
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アッシュ・ペー・フランス株式会社
hpgrp GALLERY 東京
director 戸塚 憲太郎

150-0001 東京都渋谷区神宮前5-1-15 CHビル B1
Tel:03-3797-1507
Fax:03-6805-0840
Email:art@hpgrp.com
URL: http://www.artdiv-hpf.com/tokyo
Blog: http://blogs.brash.jp/totsuka/

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