マスメディアは嘘を承知で日本の停滞を政治の責任にして政権の交代が日本を変えると叫んでいる。何時の間にマスメディアは官僚に支配されたのであろうか。記者クラブの制度だけの理由ではマスメディアの堕落は論じ得ない。今でも大多数、特に高齢者の多くがマスメディアの報道で社会の出来事を判断している。このために、官僚に対する批判は起きても最終的には政治の責任に帰結してしまい、本質が語られることはない。中曽根内閣で行政改革が行われたが、この改革も所詮は官僚機構に依存した改革であるので、省庁の統合と独立法人などに組織が変わっただけで中身は少しも変わっていないのが実情だ。官僚組織を変えられない原因のひとつには、官僚組織を変える法案作りを官僚に任せるしかないことである。尤も、官僚組織が機能しなくなったのは昔からではない。元官僚の方に聞くと、官僚になった人には左翼主義の考え方の人が多く、日本を良い方向に持ってゆこうとする気概があったとのことであった。それでは何時から官僚組織が自己利益の追求に也、国家国民を考えなくなったのかと言うと、ターニングポイントは田中政治に尽きる。給料が安いので公務員は汚職などを起こすととの考え方と優秀な役人を獲得するには高い給料が必要との理由から公務員の給与は大手企業並みに引き上げられてきた。この結果何が現場で起きたかと言うと、次官レースに蠢く官僚の姿である。学校の教師も同様だが、お金のために公務員の職業を選ぶ者に国家国民の利益を考えるわけがないことに誰も気が付かなかった。給料が安くても国家国民のために働く意志を持った人達を排除し、机上の学問だけが優秀な者を採用し続けた結果が今日の官僚の姿である。勿論、今の官僚の中にも立派な人はおり、国家国民の為に働こうとするのであるが、"悪貨は良貨を駆逐する如く"排除されている。官僚でさえ、政府案を検討する省庁会議が骨抜きにする癌であると言明するのであるから、官僚組織は末期症状である。この状況を打破するには、本来は米国の政党の様に政党自身が政策立案の機能を持つ組織を有するべきだが、実際には多額の資金が必要であり、今度は企業に依存することが大きくなり、米国の様に政治と企業の癒着が起きて国益を損なうので難しい問題なのは確かだ。この為、省庁の人事に政治が関与し、場合には拠ってはOBに再度次官に就任させて行政の改革を断行する必要がある。この様なことに対して官僚組織はマスメディアを利用してネガティブキャンペーンを繰り広げると思われるので、官僚のネガティブキャンペーンに加担するマスメディアに対して国民は購読や視聴を含めて"NO"を突きつける必要がある。日本の改革に対して一番の敵は官僚組織であり、二番目の敵はマスメディアだ。何れも机上の空論の輩であり、日本社会を外国勢力にコントロールされる素地を作っている。マスメディアを信用しないことから真の改革が始まる。