政府発表に基づく新聞記事の労働問題に対する疑問

電通・女子社員の自殺から急に企業の従業員の労働に対する国側の必要以上の干渉が始まった。過剰労働の問題が何時の間にか消費を増加させるための早帰りに転化してしまった感がある。ここに来て以前から指摘されてきた労働力不足問題も取り上げられ、早々と特区で家事代行に就く女性20人がフィリピンから入国してきた。待ってましたと言わんばかりに宅急便業界の過剰労働とコンビニの人手不足が新聞やTVで取り上げられてきた。確かに、弊社でも清掃業務で募集しても容易に応募者が現れない事は事実なので人手不足は痛感しているが、それは飽く迄も業種によるのである。

人手不足と一言でいうのは簡単だが、最近のマスコミで特に人手不足と伝えられるのは、「宅急便」、「コンビニ」、「飲食店」の御三家と言える。この御三家の過剰労働と電通の女子社員の過剰労働は全く違うのだが、マスコミを通すと全て一緒になってしまう。御三家は正に体を使う労働だが、電通の女子社員は頭脳労働者と思われるので、過剰労働の問題は本人の問題とも言える。勿論、広告会社勤務の知人がいたので拘束された長時間労働の話は聞いて知っているが、知人は好きで入社した業界なので辛いと思ったことはないと言っていた。

過剰労働の御三家の場合は兎にも角にも体を使う事が求められる訳だが、宅急便の人手不足はネット企業による大幅な需要から生じたものであり、当初設計の宅急便事業と大きく変動した事が全ての原因である。コンビニも生き残りを掛けて必要以上の陣地獲りの競争激化に起因するものであり、人手不足を助長させている。飲食店も同様に店舗数の拡大が利益拡大と相関関係にあることと、貸出先に困っている金融機関が飲食店の過剰進出を助長させて矢張り人手不足を助長させている面が大きい。

少子高齢化社会到来なので労働力の不足は確かだが、必要以上のサービスや出店競争で人手不足を生じさせていることにも問題がないかを検証する必要がある。宅急便の問題はネット企業との配送日時の問題なので、本来ならば税金を投入して宅配ボックスを設置する必要があるかどうかを熟慮すべきだ。

尤も、政府としては一石三鳥を狙った政策を進める為に労働問題を必要以上に取り上げていることは間違いないと思われる。しかし、場当たり的な政策ばかりを続けているとオオカミ少年になってしまい、肝心な時に国民はそっぽを向く危険性があることを考えるべきだ。移民政策を進めるならば東南アジアに無料の日本語学校を作り、語学と日本文化を教えて受け入れる体制の構築を行うべきだ。欧米の轍を踏まない為には移民を希望する国々に日本語学校を作って日本文化を教えるのが先だ。本当に日本の政治家は無能だ。

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