東日本大震災時には"絆"が再考され、希薄な人間関係の見直しが進んだ。しかし、今回の新型コロナウィルスは正に真逆な一言で表現するならば"離"を促している。勿論、多くの人は孤独な環境に耐えられないので、一部の人以外は孤独感に耐えきれずに感染症の脅威を他人事に転嫁しての行動を取るようになる。マスコミや政治家によって新型コロナウィルスに関しては必要以上の恐怖感を煽れたが、実際には高齢者や持病を有する人以外には感染しても重症化にならないことが分かり、特に若者に関しては従来の風邪程度で済むことが分かって来て緊張感が解けてきている。世界全体でも致死率は4.5%なので、近代医学からいえば大きな数字なのだろうが、1000人り患して45人が死ぬ確立は小さくないが、この数字を年齢や持病や不健康な生活などの要素を除くと致死率は大きく下がり、1000人のり患で1.5人と推定されるので、自分は大丈夫と誤解する可能性がある。確率は平等なので自分が1.5人に入る可能性は同じということだ。聞くところによれば、今回の新型コロナウィルスは変異が激しく、ワクチンが開発されても一部しか効果がないとのことなので、終息するには時間が掛かると推定される。この為、その様な状況の中では忍耐が必要となり、乗り切るためには強い意志と女神のほほ笑みと言う運も関係してくると思われる。政府の非常事態宣言が出て行動に制限を受けていたので、読書が進んだのだが、その中で南極で遭難して無事に帰還した「エンデュアランス」のタイトルの本を読んだ。全員が帰還できたのはリーダーのシャクルトンの冷静な判断であることが分かったが、そこには人知では考えられない自然の振り子に翻弄されても凌いだ精神力が書かれていた。この本の翻訳出版に繋がった日本人の写真家の方が極寒のアラスカでテントを張って寒さに耐えながら撮影した絶景のオーロラのことにも触れていたが、その後に再度北極エリアでの写真撮影の時にクマに襲われて亡くなったことが書かれていた。この為、写真家は本の出版を知らずに亡くなった。人の運命は不思議としか言いようがない。幸運は何度もはないことは確かだ。南極からの遭難中に一番読まれた本は料理の本だそうだ。食が人に希望を与えるのかもしれない。そうすると、今回の感染症の長期の戦いで一番重要なのは食であると思われる。確かに、旨い料理を口にすると微笑みがでる。飲食店の感染を恐れるあまり、不味い物を食うことは絶望に繋がると思料する。感染症を恐れずに旨いものを食べに飲食店に入ることも必要な様だ。