大国ロシアが原油高で息を吹き返した。今後は冷戦時代とは言わないまでも欧米中心の政策は舵取りの変更を余儀なくされると思われる。ケインズ以降の資本主義経済は成長の実現に試行錯誤を繰り返している。グローバル経済における資本主義の宿命ともいえる「創造と破壊」は想像以上にダメージを受けることも分かった。共産主義時代にエリートとして成長したプーチンは、米国依存のグローバル経済の危うさと、世界標準と言う新植民地主義を見抜いていたのかもしれない。そこに降って湧いた様な資源高騰の原油高が起きてプーチンは失地回復の千載一遇の機会と捉えたと思われる。グルジア問題はロシアの失地回復の始まりとなり、グローバル経済の大前提であった世界平和の推進に陰を落とすかもしれない。この変化は日本にとっては悪い事ではない。地政学的にロシアが強国でなければ日本は米国に政治的な影響を与える事は出来ない。また、今のような無能な政治家の経済政策の失策に対して時間稼ぎが出来るかもしれない。世界標準と言う新植民地主義を遅らせることにもなり、今後は資源を巡っての民族主義の台頭が起きるきりかもしれない。歴史は繰り返すの言葉は生きている。資本主義の停滞に対する「創造と破壊」には戦争も含まれる事を日本人は肝に銘じるべきである。