不動産業界は規制緩和で破綻した
2000年以降に小泉政権によって国民の目線でない規制緩和が行われ、不動産市場などには規制緩和を利用したインチキ企業や素人集団が参入し、金融の量的緩和もあって多くの企業が急成長したが、サブプライム問題以前に国内の金融の量的緩和の解除などや構造偽装事件の影響もあって新興の不動産の多くが経営難に陥った。規制緩和が企業経営の急成長を促したが、問題はこの規制緩和であった。建築基準法の改正により、建築の確認申請・通知の手続きが簡素化され、着工に到る期間が短くなったが、反面需要とのバランスを欠くマイナス面があった。しかも、実物不動産取引から不動産証券化の取引に変化し、投資家の多くがファンドとなり、このファンドのリスクを軽減するために貸室の入居者の事故による賃料を保証するする会社も出現するなど、何時の間にか仮想需要で舞い上がっていたのを忘れてしまったのである。今回の不動産業界で成功した方々は、不動産業界の経験があったとしても若くして独立して成功したか、金融業界、若しくは物販関係の会社の出身であろうと推測される。その理由としては、多くのプロジェクトの内容がユーザー目線でないからである。不動産業界に長く従事するとユーザー目線が重要なのが痛いほど理解している。しかし、物販などの営業を積み重ねた人たちは、価格的にも取り扱う物が安いためなのかもしれないが、尊大にも自分達の流儀でユーザーが動くと勘違いしている。私の思い違いかもしれないが、今回のミニバブルの原因を考えると勝手に造り上げた仮想需要で崩壊したと思えるからである。黒字倒産が多い理由は、金融機関が会社を存続させるほどノウハウがないと判断したから見捨てられたのである。不動産開発に他の会社にないスキルがあれば銀行の利益のために救済する筈である。尤も、最大の罪作りは規制緩和であろう。身の丈で行っていた不動産会社まで自分を見失ってしまったのだから。