構造改革は政治家の新たな利権の温床?

政治資金法の改正以降、政治家は国民受けする構造改革と称する民営化で新たな利権を見出している。民営化の利権は明治維新の三菱財閥や三井財閥の例でも分かる美味しい蜜と言える。民営化は官僚から既成利権を収奪する代わりに政治家が介在して国有資産が二束三文で民間企業に払い下げられる。今回報道されている日本郵政の「簡保の宿」の一括資産売却に関しては、年間40億円~50億円の運営赤字だからDCF(デスカウントキャッシュフロー)方式と短期的な雇用維持を条件に叩きうる図式にも当て嵌まる。「簡保の宿」が全部赤字とは思えない。雇用維持に関しても1年間だけなので意味はない。問題はこの売却で誰が多くの利益を得るのかということである。日本郵政の民営化プログラムに初めから「簡保の宿」の売却が入っていたと言う事だが、決定過程の議論を国民に開示することが必要である。小泉内閣の規制緩和にも多くの疑惑が残る。勿論、規制緩和の必要性は否定しないが、問題は規制緩和で新たな利権を生むと言う構造を国民が知るべきと思う。然も、この利権には政治家と元官僚などが群がっているのである。財政難から実施された介護保険の導入などは新たな利権を生み出した典型的な事例である。政治家が官僚支配に対して声を大きくして改革を叫んでいるが、国民は政治家が新たな利権を官僚から収奪する意図があることを知るべきである。政治家が官僚を支配できないなどということは本来考えられないことである。官僚にとって今の政治家は利権漁りばかりで真の政治家として見ていないから従わないのである。現実と乖離した能天気な役人は排除すべきだが、善人の仮面を被った政治家ほど危険の者はいない。今の政治家は正に偽善家ばかりである。日本郵政の問題を契機に国民は監視の目を強めるべきである。
  • entry109ツイート
  • Google+