認証・基準作りの上手い欧米諸国

米国NYでは「グリーンビルディング」と言う言葉が到る所で聞かれるそうだ。日本で未だCASBEE(建築環境総合性能評価システム)による建築物の格付け手法の段階と言うのに、グリーンビルディング「LEED(The Leadership in Energy and Enviroment Design)認証」なるものが生まれている。お金儲けに対する取り組み方が違うと思うのだが、何れ日本でも同様な認証基準が導入され、建築物の格付けが行なわれて賃料や売買価格にも影響が出ることは間違いない。LEED認証を未だ知らない方に説明すると、認証の基準は以下の6つの項目に分かれており、①敷地の持続性可能性(14ポイント)、②水効率(5ポイント)、③エネルギー(17ポイント)、④資材・資源(13ポイント)、⑤屋内環境基準(15ポイント)、⑥革新性と設計プロセス(5ポイント)、更に括弧内のポイントに対する細かい数値基準などが設定されており、認証を受けるだけでも大変な様だ。NYでは市内の自転車走行を奨励するなど都市環境に注力しているが、LEED認証に関してはグリーンビルディング法によって市から1000万ドルあるいは建築コストの50%以上の融資を受ける場合や、市が建築する200万ドル以上の建築・増築するビルはLEED基準に従わなくてはならないそうだ。もちろん、この制度の普及にはグリーンビルを推進したオーナーに対する優遇税制が設けられている。オバマ大統領は21世紀の米国を省エネ・環境立国にする考えで予算編成を行なう考えのようだが、省エネ・環境については日本が先輩格なので、認証・基準作りにに後塵を拝していては何時の間にか遅れを取るのではないかと心配である。特に、日本は民間に大きな負担を強いるような制度を経済環境を無視して行なう傾向があるので、制度が形骸化する恐れもある。何れにしても、省エネ・環境に対して配慮した建築物でないと価値がなくなる時代が来ている事を痛感ささせられる。

イラク・アフガンに見る米国テロ対策の誤り

アフガンは援助景気で一部の支配階級だけが反映を謳歌していると言われる。しかし、90%の国民は極端に貧しく、米国の望む平和など無縁である。米国の間違いはイラクでも同様であったが、貧困さが民衆をイスラム原理主義に走らせているのであり、実体は宗教の対立とは異なる。グローバル経済は確かにフラットな世界を築きつつあり、豊かさとは無縁であった発展途上国の国々に経済成長をもたらしている。しかし、逆に経済成長が格差社会を助長して犯罪も拡大している。犯罪の発生は貧困が原因であることは疑いもない。米国が本当にテロを失くしたいと願うなら軍隊を送るのではなく、経済援助でアフガン国民を豊かにする事である。尤も、米国の覇権主義の背景には軍事産業や宗教団体が存在するので、実際には紛争のための紛争を演出していると考えられる。イランやミャンマーなどは、ポストアフガンだが、北朝鮮に対しては韓国や日本に武器を売るために地政学的に利用している。自由や人権と言う言葉で他国に侵略する行為は、許されるものではない。ベトナムが良い例である。南ベトナムが崩壊しても米国が懸念したような事態には到らなかったのである。南ベトナムの一部の企業家や軍隊の利益のために戦争を続け、その結果、米国内に混乱と経済疲労をもたらしたのである。アフガンの深入りは第二のベトナムになる可能性が強いが、金融危機の経済活性化のために戦争を行なわなければならないのは悲劇である。暴力では人を屈せさせることは出来ないのである。何も知らないでアフガンに深入りするオバマ大統領も何れ後悔すると思われる。

民主党政権で本当に高速道路の無料化が実現できるのか

高速道路は建設当初の計画では無料化する事になっていたと言う事だが、インターチェンジ方式の出入口しか考慮されていない事から考えても国民に嘘を付いていたのではないかと思われる。米国の高速道路を見れば一目瞭然であり、無料化して効率的な運用を考えていれば一般道の整備計画で高速道路との整合性を考慮されていて然るべきだが、日本の高速道路網と一般道網との整合性はインターチェンジ周辺を除けば極めて小さい。推測の域を出ないが、高速道路の建設は半永久的に続ける意図があったと考えれば辻褄が合う。何故、高速道路の無料化の実現に疑問を抱いたかと言うと、石油特別会計の一般財源化の議論の中で高速道路に関する運営上の問題が一度も取り上げられてこなかったからである。確かに建設費は膨大であるが、一般財源から高速道路の建設費に回っている分は少なく、殆んどが受益者負担の石油特別会計の財源であったので、高速道路建設費に係る借入金は一時的に建設をストップするか、スローダウンすれば問題は解決するからである。特に、高速道路の民営化に際して一度も検証されていないのは、高速道路に点在する休憩所及びガソリンスタンドからの収益である。この休憩所の既得権益について少しも触れていないのは異常としか思えない。この様な事を書くと、建設費など比較して無視できるほど小額の収入と反論が出るかも知れないが、それならば使用料の仕組みを開示して透明性を高める必要がある。標題のタイトルは民主党ができるのかと言う事で、高速道路の無料化が出来ないと言うことではない。高速道路を無料化するに際しては一般道路との整合性が鍵を握ると思うからである。高速道路の無料化は現在の様なインターチェンジ方式の出入口では使用効率と一般道路の補完には成り難いので、多くの出入口を造る事が必要だが、一見して現行の高速道路は一般道路との整合性が悪いため、新たに出入口を建設するには多額の費用が掛かってしまうと思われるからである。今回の地震による高速道路の崩壊もインターチェンジ方式の出入口のために何10kmも使用できない現象を引き起こしたのである。高速道路の無料化で経済効果が上がるのは出入口を多く設置することであるが、そうすると休憩所の利用の問題が発生し、反対意見が出てくるのが目に見えている。今更なのだが、この様に公共投資を見れば国民のためより既得権と言う利権を生み出すために血税を投入している実体が浮かび上がる。構造改革の民営化に置いても然りである。従前の公共事業では利権が少なくなったので、国民受けする民営化と称して利権を漁っているのである。郵政民営化など正にその典型的な事例であろう。新聞を読むから騙されるのである。騙されないためには、常識と言う目線で物事を見る必要がある。自己利益を図る輩は世間に対して発言が多いが、社会利益を考える人は控えめであることに気づくべきである。

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