最高裁の判決で「年金払い生活保障特約付き終身保険」に対する相続税と所得税の課税が違法な2重課税とされたことにより、同様な課税に関して税還付の取り扱いが注目される。同時に、他の金融商品に関しての取り扱いでも二重課税の可能性もあり、複雑な様相を帯びてきた。2重課税に関してはガソリンに関する消費税課税なども厳密に言えば税金に税金を掛けており、業種によっては二重課税の額は相当な額と言えそうだ。尤も、消費税自体は他の税金とは異なる位置づけのために訴訟で簡単には結果を求められないかもしれないが、税の公平さの観点からは遠い存在の税金であることには変わりない。実際、裁判で争ってる人も居るそうなので、その内とんでもない判決が出るかもしれないと思われる。15年以上前の話だが、再開発建物に発生した架空の利益に対する課税問題で所轄税務署と議論を交わした事を思い出す。この時の問題は土地バブルを沈静化しようとして導入された租税特別措置法に係る「利子の損金不算入」であった。当社の様に共同事業で再開発を推進している会社に取っては架空の利益に対する課税を引き起こした悪法の典型的な措置法であった。確かに、複雑化した社会システムや金融商品、更には国際会計基準と税法の不整合など課税現場も課税される現場も相当混乱してきていると考えられる。この様な時代に5年の時効の壁で還付期間に限界がある措置は言語道断と言える。特に、申告の修正は1年以内にしか出来ない制度も時代遅れと言わざるを得ない。消費者金融で過払い金に対して時効の適用がなかったのであるから、税金などは尚更時効で片付けられては納得が行かないと思われる。以前来社した国税の職員の方が昔と違って現在は裁判に持ち込んで解決する事も認められていると言っていたが、今回の最高裁判決で後悔しているのではないかと推測される。何れにしても、日本も訴訟社会に突入したので国税庁も従来のような対応は難しくなってきていると思われ、過去には国税と税法の解釈が違うと一方的に脱税行為としてマスコミにリークされて脱税報道となり金融機関から取引停止を受けて自殺に追い込まれた経営者もいたが、今後は訴訟を有効に活用して是非を問う事が出来る様になっただけ改善された。これだけ見ると訴訟社会も悪くはない。