中国の不動産バブルは当面崩壊しない!!

中国の不動産バブルは何時崩壊するのかと相変わらず誌面を賑わしている。これまでの予想だと上海万博後と言われてきたが、その予想を裏切るように中国政府は上海万博閉会前に市場金利を上げてきた。中国の不動産バブルは中国政府が指導してきたものである。日本など欧米諸国の様に市場原理主義では動いていないので、市場の声で翻弄されるリスクは小さい。資本主義と民主主義を取り入れた国では歴史的に見ると大小はあるものの定期的なバブルと崩壊によって苦しまされてきた。資本主義は人間の欲望を肯定した制度なので果てしない欲望がバブルを発生させ、然る後に崩壊すると言う流れは防ぎようが無い。1929年-1933年の大恐慌はその後の世界経済の低迷の中で第二次世界大戦を引き起こしたのは承知の事実である。この反省により、これ以降は人間の欲望を抑える制度(銀行業務と証券業務の分離など)やバブル崩壊後の救済制度(IMF、世界銀行の創設など)によって30年程度は日本やドイツの様な高度経済成長はあったが、世界にバブル発生~崩壊はなかった。しかし、貿易の機軸通貨となったドルの発行国の米国がベトナム戦争の深入りで戦費が嵩み財政赤字となっために世界は再び為替の自由化が始まりそれまで安定していた世界経済は不安定になってきた。米国はその後20年掛けて財政収支と貿易収支の双子の赤字の解消を進め、2000年には財政黒字を実現したのは評価できる。だが、財政赤字を解消するために小さな政府と金融緩和がその後のリーマンショックを引き起こしたのは否定できない。この辺の事情は多くの書物に書かれていることなので割愛するが、中国は資本主義だが民主主義ではなく共産党一党独裁である点である。中国は歴史を学んでいるので何がバブルを発生させ崩壊させたかは熟知していると考えられる。1929年の世界大恐慌時に無傷であったのは世界経済から孤立していたソ連だけであった。勿論、今の中国は世界経済と連動しているので今回のリーマンショックは影響を受けているが、問題は民主主義の国家と異なり、危機に対して敏速に対応できる点である。今日の情報化の時代には日本企業も合議制のサラリーマン役員の会社でなく、敏速に決断できるオーナー企業の会社が評価されるようになった。政治体制も同様であろう。情報化の時代には敏速に対応できない民主主義は合わなくなってきている。尤も、資本主義と民主主義の結合が経済バブルと崩壊の原因かもしれないと最近考えてきており、それが経済の需要を生み出しているかもしれないと考える。何れにしても、中国の貿易収支が大幅な黒字である限りは不動産バブルに対して調整が可能と思われるが、中国の経済バブルを崩壊させて不良債権のホールセールで儲けたい連中との今後の中国政府との攻防は見物である。
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