マスメディアとは違う中国の見方

日本のマスメディアはすべてにおいて真実を伝えてないが、特に中国報道に関しては意図的な情報操作が感じられる。この為、自らが中国の意図と実体を考察する事が重要であり、欧米の謀略に嵌まらないことになる。中国は紀元前から栄えた国である事を思い出さなければならない。日本の高齢者世代は戦前の中国蔑視の環境で育ったので直ぐに対抗意識を持って中国に反発する。又、若い世代は逆に歴史観が希薄で、到底中国人の考えを理解できない。然し、歴史的に見れば、他のアジア諸国と比較して中国の経済・文化は突出していたのである。況してや、中国にとって欧米諸国など紀元後、良いとこ数百年の経済・文化と見ていると推定できる。中国人がプライドが強いのは当然なことと考えなければならない。何せ中華思想を実践した歴史があるのだ。その中国のプライドを打ち砕いたのは近代文明であり、特に明治以降の日本であった。前段が長くなったが、結論から言えば中国人の時間は明・清の時代で止まったままであるという認識が必要と言うことである。政治的にも、近代国家として生まれ変わった様に見えているが、中国人の意識では国家と言う概念が未だ未成熟であり、明・清の封建国家とその後の国民党支配、共産党支配も何等変わっていないと言う現実である。更に、現在の共産党指導者の悲願は欧米と日本の侵略を受ける以前の状況に国家の勢力範囲を回復することであると考えると、中国はマスメディアが報じる覇権主義でなく、侵略以前に戻す事である事が理解できる。その様に考えると、尖閣諸島問題は現時点では中国は日本に譲歩していると推察出来るので、今後の日中関係にとっては重要な点である。島国の能天気な日本人は現在の民主国家の日本との比較だけで中国と中国人を見ているので間違った判断と言わざるを得ない。勿論、現代中国が世界中を敵にして明・清時代の勢力圏を回復するとは思わないが、動きは間違いなく回帰本能であることが分析できる。なお、中国人の意識は封建社会から近代社会に急速に変わってきているが、悪い事に途中で金融資本主義に感化されたので、価値観がお金になり、道徳観が急速に衰退してしまった感がある。中国は今でも中央国家が地方に対して完全な支配権を確立したと言えないが、逆説的に言えば、ITCの情報化時代にはネットワークで結ばれたローカルが重要な意味を持って来ると推定できるので、漢民族と他民族との関係をネットワーク的に結べば未来が見えてくると思われる。日本にとってはそれを期待したい。

 

赤字国債が増え続ける理由

赤字国債の発行は今から遡る事34年前に自民党の福田赳夫内閣の時に開始された。第一次オイルショックによるインフレから一転して第二次オイルショックでスタフグレーションの様相を帯びてきたので、景気の梃入れに建設国債として発行された様に記憶する。この時に国債発行に上限枠を設けなかった事が今日の膨大な国債発行残高になったのであるが、1985年のプラザ合意に伴う国内需要の喚起、そして日本経済バブル崩壊後の景気回復などの為の公共投資事業の拡大などで急激に国債の残高が増えていったのも確かである。然し、2000年以降の小泉内閣による規制緩和や郵政民営化、更には地方地自体への交付金の削減などを進めたにも関わらず国債の発行は減少することはなかったのである。本来ならば、この時点で国民は可笑しいと気付く必要があったのだが、マスメディアは何も報道しないどころか赤字国債を次の世代に残しては駄目的な論調で国民を増税に対する洗脳工作を進めてきたのが実情だ。何故、低金利なのに赤字国債が増え続けるのか。結論的に言えば、日本の予算の支出の仕組みを変えないで、収入などに対する手段を変えた結果なのである。日本の国家予算は一般会計と特別会計で成り立っているが、実は予算は税収入と他に財投と言う資金の二本立てであり、財投と言う借金分が常に水増しされていた。喩えて言えば、サラ金財政なのである。何故、借金を前提にした予算であったかは推測の域を出ないが、戦後の税収不足の中で考えられたものであり、その前提にはインフレ経済を想定していたものと予想される。問題は財投の導入先なのだが、財投の借入先は郵便貯金であった。日本は国債残高の発行は他国より少なかったのは財投と称して郵便貯金の資金を借りていたからなのである。所謂、間接的な国債発行と言えるもので予算が編成されていた。然し、郵政民営化により財投資金と言う借金の代わりとして国債発行が出てきたのであり、急に国債残高が増えた理由は公共投資の増大ばかりが原因でないのである。日本の行政機能はすべてインフレ経済が前提で仕組まれていたので、経済が資産デフレから本格的なデフレになったので、すべての組織に矛盾する問題が起きているのである。予算編成などは典型的な問題である。勿論、経済自体が実需と金融が整合していないので、税収入と支出をイコールにする必要はないが、少なくてもデフレ経済の時点と郵政民営化を進める時点では、ベーシックな問題にメスを入れる必要があったのである。それが、財務官僚の誤魔化しで国民が騙され、急激に増大した国債残高の理由も開示されないで、すべて国民のおねだりの理由に責任転嫁されたのである。野田総理が次の世代に借金を持ち越さないなどと戯言を言っているが、インフレ経済時代のサラ金財政を改革しないで放置してきた財務官僚の責任は重い。財政難なのに政治家は相変わらず無駄使いをしており、官僚も官舎を新設したりしているのは、赤字財政など昔から財投と言う資金で存在していたから危機感がないのである。日本は高齢化社会を迎え、国内の工場や企業が減少する中で、消費税など幾ら上げても赤字国債の問題は解決しないのである。早急に21位世紀に通用する国家のグランドデザインを作り上げて対応する必要がある。情報化のネットワーク時代にに中央集権的な行政組織は不要であり、ローカルを核とするネットワーク国家の樹立が求められているのである。赤字国債の縮小には、現行の予算的な発想ではなく、別途な機関を設立して一定の税率を充当すること以外に解決策はない。既存の体制を維持しての日本経済復興はない。

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