ビジネス業界にBプランという言葉があるが、マスコミが滋賀県知事の嘉田由紀子さんが造る新党に結集する集団に対して命名した第三極Bチームの表現は面白い。第三極Aチームはもちろん橋下大阪市長が造った「日本維新の会」であり、第三極Bチームは嘉田知事の「日本未来の党」は承知の事実であるが、両方とも地方自治体の首長が造った政党であることは中央集権政治が地方を犠牲にした結果であることが分かる。民主党政権に対して国民が抱いた嫌悪感は政治的信念がなく、ぶれまくったことである。自民党、民主党以外の新しい政党に求めることは先ずぶれない事であると思われる。ぶれると言うことは政治的信念が欠如していることであり、ポピュリズムに陥るということであるし、それ以前に政策の勉強が絶対的に不足していることでもある。日本維新の会に危惧するのは、環境エネルギー問題の顧問として大阪市に迎えた飯田哲也さんが反原発で山口県の知事選に出馬したのに支援しなかったことである。支援しなかった理由は山口県選出の自民党の安倍晋三議員と提携の話をしていたからと推定されるが、瑣末なことと思われるかもしれないが、私としては橋下大阪市長の政治信念について疑問がわいた。その後、日本維新の会が石原太陽の党の合流で重要な政策などを曖昧化した事を問題視してなく、政治は数という旧来の考え方で政治を考えていることが良く分かった。この様な集団は形勢が不利になれば容易く空中分解することは目に見えている。第三局Bチームの嘉田滋賀県知事は経歴から判断して政治的信念がある人物と分かる。大学で農学部を専攻し、農業と環境に対しては専門家である。組織票を持たずに知事になったのは橋下大阪市長と似ているが、二期目に入った嘉田滋賀県知事は橋下市長の様なアジテータ-手法でなく、正に地についた手法で県民の支持を得ている。脱原発を標榜しながらコロコロと変わる橋下市長に比べて嘉田知事の"卒原発"の主張は現実的である。日本未来の党に先の飯田哲也さんが副代表で加わる話もあり、それが実現すればエネルギー・環境に関しては非常に大きな力となることは間違いない。既成政党の如く数の論理を優先して国政に参加する日本維新の会より、政治的信念をもって国政に参加する嘉田知事の日本未来の党の方が国民にとっては信頼できるものと思われる。ビジネス界でも実際に評価されるのはBプランなので、政治でも第三極はBチームに期待したい。