中央高速道・笹子トンネル崩落事故は民営化のツケ
今の日本は民営化を唱える人達が主導権を握っているので、笹子トンネル崩壊事故の本当の原因も隠蔽される恐れがある。その第一弾の記事が出た。打音検査は2000年以降行っていなかったという報道記事だ。小泉内閣が発足したのは2001年以降で道路公団の民営化はそれ以降の事なので、今回の事故と関係ないという正に予想された内容だ。少なくても、それが事実であったとしても日本道路公団が民営化を逃れるために経費節減を行ったという解釈も成り立つ。何れにしても、打音検査自体が経験豊富な従業員がいることを前提としたものであり、打音検査を辞めた理由は経費節減でなく、リストラによる年配者の経験者の切り捨てから生じた可能性も否定はできない。民営化も同様だが、米国主義の経験者軽視の社会にシフトしたマイナス部分だ。日本人は情緒的な国民性なので、いったん振り子が逆になると一斉にその方向にベクトルが動き止まらなくなり、盲目的になる。民営化問題も然りである。日本道路公団の問題は民営化でない有効な方法があったにも拘わらず、道路公団の改革は民営化しかないという方向付けがなされた。何故なのか。簡単である。民営化の方が簡単であり、株式市場の上場などの利権絡みで儲けることが出来るからである。日本社会の構造改革で抜け落ちているのは国民の安全という言葉である。国民の命に関係する高速道路に関して営団の民営化は適切かどうかの議論は少なかった。民営化により利益追求企業になれば経費節減が第一となる。勿論、経費節減とは理想論からいえば無駄な部分や必要以上に掛けている費用を削減して適正化図ることだが、実際には利益を出すために無理な経費削減が行われるのは普通だ。笹子トンネルの目視点検に関しては開いた口が塞がらないほど驚くが、人の命より利益を重視した結果であるので、今後とも起きる事故と思われる。リストラで経験者を切った時点で打設点検も効果がなくなり、本来なら赤外線点検が必要であったと思われる。2000年以降に打設点検が行われなかった理由を検証しないと問題点をぼかしてしまうことになる。国民は中央高速道路の笹子崩落事故は道路公団の民営化による起こるべくして起きた事故としてとらえないと同じような事故が再び起きる。話が変わるが、米国NYを襲ったハリケーンによる市街地の混乱は、公共施設にお金を掛けない考え方が原因であり、現在の日本では考えられない被害と言われておる。日本社会も間違いなく、米国の破たんの道を追っている。