学堂会の勉強会に出席して

4月9日pm6:00開始の学堂会の勉強会に参加しました。今回は第4回とのことで、第1回目は2013年1月31日で講師はオランダ人ジャーナリストのカレル・ヴァン・ウォルフレン氏で演題は「日本にとり主権とは何か」、第2回目は2013年2月22日で講師は元ロシア大使の丹波實氏で演題は「戦略なき日本ーその将来を憂慮する」、第3回目は3月13日で講師は国連訓練調査研究所(ユニタール)顧問のナスリーン・アジム女史で演題は「ベアテ・シロタ・ゴードンー女性と憲法」でした。第4回目の今回は、講師が元スイス大使の村田光平氏で演題は「父性文明から母性文明へー地球倫理の確立を求めて」でした。この勉強会を主催しているのは、株式会社ディプロマット内の学堂会ですが、主催者は同社の社長である原不二子女史です。

先ず「学堂会について」は添付ファイルをご覧ください。 学堂会について.pdf

政治家 尾崎行雄の生き方に倣って尾崎家の子孫の原不二子女史が立ち上げた勉強会が、尾崎行雄の最初の雅号「学堂」を取って「学堂会」としたそうです。ちなみに、その後雅号は「愕堂」、「咢堂」と変わったそうですので、この勉強会も年月を経過して変える意図があるのかもしれません。尾崎行雄は一生勉強する心がけを大事にし、90歳になっても「人生の本舞台は常に将来にあり」とし、市民の立場として官閥、軍閥に対し信念と情熱を持って戦い抜いた方です。

子孫の原不二子女史は憲法に書かれている主権在民に鑑み、政治家や官僚を非難するだけでなく、主権を持つ庶民がしっかり勉強して自分たちの生活やこどもの未来、国の将来を左右する事柄に関わってゆくことを決めて勉強会を開くことにしたそうです。

私の長年の友人が原家の方とお知り合いの為に原不二子女史の謦咳に触れる機会を得ているが、今回の勉強会に参加して改めて尾崎行雄という人物が残した遺伝子に思いを寄せています。歴史を振り返ると、小さな偶然が大戦を引き起こし、独裁者を出現させたことに驚愕するが、それを阻止するのは主権在民である庶民の我々が常に勉強して歴史が誤った方向に進むのを止めることが重要と思われます。正に、原不二子女史が勉強会を思い立った理由が理解できるのです。

今回初めて参加する機会を得て会場に行ったのだが、学堂会は知的レベルの高い人の集まりらしく、私が受付で名刺を出して受付名簿に記名しようとしたら、私の顔を見て親切に訪問先の会場が間違っているのではと確認された。一緒に参加した友人が原家の知り合いという事を説明したので受付の方も安心した顔をしたのが印象的だった。確かに、会場に入ると私は自分自身が場違いの様な気分がしたことは確かであった。しかし、講演の内容はマスコミが報道しない裏話もあり、非常に有意義なものでした。

私は王陽明の「知行合一」の信奉者なので、顔にも剣呑さが出ているのかもしれない。今後とも時間が合えば「学堂会」に参加して勉強したいと思ったが、尾崎行雄は政治家であったので、私としては勉強会を発展させて政治家養成塾として生まれ変わり、尾崎行雄の意思を継ぐ有意の政治家を出現させて欲しいと思う。過去に松下政経塾があり、多くの政治家を要請したが、松下幸之助がビジネスマン(商売人)であったので、松下政経塾出身の政治家の多くは間違った方向に日本を導いています。今は弁護士タレント上がりの橋下徹が日本維新の会の勉強会をとおして政党を作り、政治家を輩出しているが、中身は米国金融主義の追従であり、カジノ法案提出など庶民とかけ離れた政治家集団となっています。この様な現状を見ると、今こそ尾崎行雄の思いを継いだ勉強会の重要さが際立ち、何とか日本や世界の為に立つ政治家を育てて欲しいしと願うばかりだ。この様に書くとお前が政治家になれと言われるが、私の年齢では政治家になるのは遅いことは知りすぎています。石原慎太郎の様な老害を目にしては尚更だ。

原不二子女史のご子息も勉強会を手伝っており、正に尾崎行雄の遺伝子が動き出したので、学堂会には大いに期待を寄せたい。

なお、学堂会についての添付ファイルを読んでいただくと第5回、第6回の勉強会の予定が記載されているので、興味がある方はぜひ参加してください。ちなみに、参加費は2千円で、講演終了後には軽食と飲み物が出ます。

敢えて流れに棹をさす見方

安倍ノミクス効果で円安が進み、株高は止まらない。本来なら諸手を挙げて喜ぶことなのだろうが、浮かれる気分にならないのは何故だろうと自問自答してみた。証券会社からノンバンクで定年まで働いて長年個人的に株の売買を行ってる友人も今回の得体のしれない株高には一抹の不安を持っている。現行の株高は実体が伴わない金融相場であるので、安倍政権が実体が伴う政策を打ち出さないとあっと言う間に株高も失速すると言う懸念は誰もが持っているのは確かだ。しかし、先行きに対する漠然とした不安はありきたりの説明では答えにならないもの真実だ。安倍政権はデフレ脱却を目指して企業に賃金アップの要請をしているが、それに答えられる企業は少ないと思われるし、兎にも角にも国民の気分をデフレからインフレに持ってゆくことで一生懸命なのが手に取るように分かる。グローバル経済の中で企業が収益を向上したからと言って過去の様に国内に工場などを造ることなどは望むべくもない状況なのは安倍政権も理解していることなので、国民は次の一手をじっと見守っている筈だ。3年間の民主党政権が余りにも酷かったので、安倍政権の普通に行っている政権運営が眩しく見えるほど頑張っていると国民の目には写る。

しかし、少子高齢化社会、地方疲弊、財政難に関しては何ら有効な手は未だ打たれていない。金融相場だけで目前に迫る消費税増税を乗り切れるほど甘くはないのが現状だ。不動産業界も地価は上がってきたと言っているが、今後も上昇するのに必要な賃料などの収益の上昇の目途は立っていない。幾らデフレからインフレに転換しても需給バランスが改善されなければ一時的な現象で終わってしまう可能性が高い。過去を振り返っても意味がないと言われるかもしれないが、日本経済が戦後の幾度かの試練を乗り越えられてきたのは国内の消費力が強かったからと考えられる。社会主義国家と言われた程貧富の差が縮まり、国民の80%が中流意識を持った社会が旺盛な消費を支えたのであった。勿論、これ以外にも色々な原因があってのことではあるが、金融資本主義が主流になり、収益の向上よりコスト削減が経営者の優先意識になっている現在では、口で言うほど消費を回復させるのは難しい。

時間を過去に戻すことは出来ないので、新たな仕組みを構築する必要があることは間違いはないが、明確なのは米国の仕組みでは日本の経済が復活することがないという事だ。シュンペンターの創造的破壊などと言う言葉が流布されているが、グローバル経済と情報化社会がデフレを引き起こし、多くの雇用を奪っていることを考えれば、規制緩和だけで解決しないのは自明の理だ。大阪維新の会などはカジノを政策提案しているが、ギャンブルを財源にする案など枝葉末節の類だ。国鉄が民営化されてJRになって収益が生まれているので、民営化すればすべて良くなると思われがちだが、国鉄のままで今日の様な業務の拡大をさせたならば、地方の疲弊を促進させた廃線を防ぐことが出来たのではないのか。今更仮の話をしても仕方がないが、企業経営が分からない官僚どもが経済に口出ししていることが問題なのだ。

何れにしても、現在の日本はマスコミを動員してポジティブキャンペーンを行っているので、先行きが明るい様に錯覚しているが、実際は財務省が消費税値上げを実施する環境つくりと、TPP交渉参加で米国の支持を取り付けた円安で動いているだけの見せかけ景気に過ぎない。尤も、見せかけが本当にならないとも限らないので取り敢えずは安倍政権のお手並み拝見だろう。

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