三題噺の様な標題になったが、11月の旗日に藤井総太の師匠が書いた「藤井総太はこう考える」を読んだ。その後にアマゾンのビジネスモデルが中国のECサイトに押されているとの記事を目にした。ご存じの通り、アマゾンは欲しい物を検索して購入するシステムだが、中国のECはインフルエンサーの商品を消費者に提示するシステムだそうだ。AIと一般人の間に藤井総太を入れたのは、将棋界で主流になっているAI活用に関して藤井は必ずしもAIの推奨手を好んで打たないと言う事を書きたかったからだ。逆に、藤井はAIが薦めない打ち方を選ぶ傾向があると師匠は書いていた。更に、藤井は将棋士に多い、先入観や固定観念を持たない打ち手とも書いている。この様に書き進めるとお前は何が言いたいのかと短気な方はしびれを切らして謗ると思われるが、AIを使うことは人間に頭で考えさせないことになる事の懸念を抱いたからだ。その傾向は既に中国版のECサイトがアマゾンを押しのけて来ている事実だ。確かに、人は選ぶと言う行為を苦手としている。売り場などでは同じ商品の選択肢を増やすと迷った末に買わないで帰ることをデジタル社会以前から指摘されていた。この現象は人が欲や間違いをするリスクを避けたい意志が働くためと思われる。尤も、今の若い人たちは類似商品を閲覧して一番価格の安い商品を購入する術を心得ている。自分でその様な術を行使しなくても良ければそちらを選択するのは自明だ。しかし、AIとインフルエンサーは似て非なるものだ。インフルエンサーによっては企業から報酬を受けて行っている人もいる為だ。AIは過去の膨大なデータから最適な解をを提供するのであるから間違いはないとの考え方はあるものの、藤井総太の八冠を見る限り、勝負事は単なる最適な解だけでは通用しない事が分かった。勿論、一般人は藤井総太とは違うので勝負事でも十分に利用価値はあると思われるが、問題は哲学的な思考で発展してきた人類がその頭を使わなくなるデメリットだ。安直に答えが得られるのは受験勉強時代に準備された答えが書かれた安直な問題集を思い出す。問題が解けなくて直ぐに回答を見てしまうと力が付かない苦い記憶だ。AIに関しては正に安直な問題集と言えるが、要は使い方次第であろう。藤井総太はAIの研究も行ってる上での対応を行っているからだ。グーグルなどが出現してから物を調べることに関しては楽になったが、果たしてそのれが人にどの様な悪影響が出るのかであるが、既に出て来ているのではないかと懸念される。