通行料1000円による東京湾横断道路の渋滞と道路計画に対する疑問

3月21日に千葉県のゴルフ場に予約を入れていたため、偶然通行料1000円に引き下げられた東京湾横断道路を早々に利用して帰りには渋滞に巻き込まれた。私が東京湾横断道路計画を初めて知ったのは、今から38年前に大学の入学に伴い田園都市線の大学の最寄り駅から登戸経由で南武線の各駅を順次下り乍アパートを探して武蔵新城駅の不動産仲介業者の店舗に入った時であった。壁一面に東京湾横断道路計画図が貼ってあり、私が工学部の学生と知った業者の方は学科名も聞かずに貴方の様な学生さんがこの様な道路を造るんだねと感心された記憶がある。その後、社会人になって再度横断道路計画の現状について聞ける機会があったが、この時には事業採算的に絶対実現しない道路計画と言われていた。しかし、1985年のプラザ合意後の日米会議で米国から強力に内需拡大を要請され、日本政府は公共事業500円プロジェクトを打ち出したが、その中に「東京湾横断道路計画」も入った。この道路計画は民活の考え方を取り入れて建設される事になったのは自明の事だが、当初から事業採算性が疑問視されていた道路計画に民活の考え方を導入したのは狂人沙汰であったのである。今更いっても仕方がないが、本来なら東京湾横断道路を有効に活用するためには利用者負担の石油特別会計の全額負担によって建設し、低料金で利用できる計画にする必要があったのである。今回、通行料を1000円に引き下げたら報道によれば20%の通行料が増えたとのことであったが、この報道で疑問が湧いた。普段利用客が少ない横断道路がたった20%アップで渋滞を引き起こしたのであれば、建設計画時の通行量予測に関してどの程度であったか大きな疑問が湧いてくる。引き下げ前の料金と通行量で採算が取れていたかどうかは情報がないので分からないが、若しかしたら最初から低料金の利用による通行量など考えていない道路かもしれないと思った。そうでなければ20%アップで渋滞などならない筈である。ちなみに、横断道路の渋滞は外部の接続と関係なく起きていたのである。専門家愚昧と言う言葉がある。専門家と言う言葉で信じると世の中ではとんでもない事が結果的に起きている。専門家になるほど頭が固くなり、自由度が失われてプロジェクトに大きな欠陥を持つことが多いことを素人は肝に命じるべきと考える。

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