マスコミのGDPマイナス報道の誤魔化し

515兆円規模のGDP(国内総生産)なのに1-3月期は大きなマイナスで、戦後初めての大幅なダウンとかマスコミは報道している。バブル経済間真っ只中のGDPは385兆円である。デフレ経済で大変だと騒ぎながら115兆円も上昇しているのである。しかし、この間の日本経済は低成長とデフレで苦しみ、地方経済は疲弊するばかりであった。20年前のマスコミの報道では、大きくなった日本経済はこれ以上の成長は期待できないので内需によって安定した経済を目指すべきだと喧しかった。確かに、日本経済のGDPの年間上昇額はオーストラリア(?)経済に相当する規模であったので、この様な成長は望めないとの見解は国民を納得さるものであった。しかし、実際にはバブル経済崩壊後にも生産は拡大していたのである。此処で誰しもが思うのは、この成長分の富は何処に消えたのかということである。この分が格差社会における富裕層に渡ったのならば、今後GDPが30%ダウンしても360兆円規模であり、このGDPは1985年頃の規模なので一般国民は心配する事はないのである。尤も、生産性を伴わないマスコミの社員などが格差社会の富裕層に属するので、自分達の報酬が少なくなるのを恐れての事であろう。この他には人事院勧告で給与が上昇した公務員も恩恵を受けた部類である。この様なマスコミや行政のお為ごかしに国民は騙されてはならない。

日本が新しい国つくりのモデルにした英国の惨状

英国の労働党が国民の非難を浴びて支持率が急低下している。英国は日本より早く小さな政府を標榜し、行政のスリム化と規制緩和を進めて今回の金融危機が起きるまでは各国の模範となっていた。日本も2大政党の有り方や、行政組織の独立行政法人化を模倣したのである。それが、政党を見ると公私混同する様な必要以上の手当てを付けるなど国民を無視した自己利益の追求には目を覆うものがある。日本でも色々な手当てを付けて国会議員の報酬・手当ては肥大化しているが、正に英国を見習っての事の様だ。この様な有様からすれば、独立行政法人に関しても観察する必要が出て来るだろう。小さな政府を目指して規制緩和を進めた英国が腐敗に直面しているとすれば英国の規制緩和をを模倣した日本も他人事ではない。英国の惨状が即日本の惨状になるであろう。小さな政府に関しての大きな間違いは、規制緩和で多くの業務を民間に移行したのだが、それに伴って行政組織のスリム化と税金の歳入を減らさなかったから、政治家も役人も余剰税金を自分達の手当てなどに転用したのである。今盛んに消費税の値上げを口に出しているが、国民として重要な事は国会議員の定数の大幅削減と行政組織の大幅な縮小を行なわない限り認めるべきでない事が英国の例でわかる。

夢のない時代の若者の住まいは集団化に向かう!

今の若者は夢がなく現実的であると言われて久しい。確かに、豊かな社会に育った人達は物に対する執着が少ないが、豊かさを実現できる「お金」に対しては少なからず執着が見られる。翻って、住まいに関してはどの様な変化が起きたのか漠然と見渡すと、フリーターの住まいは進化するどころか後退している感があるが、正規雇用の社員の住まいで人気が高いのは、デザイナーズマンションである。デザイナーズマンション需要はある意味では現実逃避の象徴かもしれないと考える。最近ではコンセプトマンションなる造語も出現し、マンションの屋上で野菜つくりやメゾネットスタイルで1階にオートバイ駐車スペースを設けた住まいなどが人気である。デザイナーズマンションよりコンセプトマンションの方が現実的な趣味を住まいに反映させているので評価は出来る。尤も、価格的に提供するサービスと見合ったものかどうかが問題だが。一方、今の若者は全く見知らぬ他人と部屋をシェアする事も平気な現実がある。シェアなどと外来語で書くと新しい時代の社会システムの出現と思えるが、良く考えると殆んどデフレ経済であった江戸時代は「長屋」と言う住宅システムがあり、現代のシェア住宅の大型版の様なものと気づく。日本は農村型のムラ社会の共同生活の生き方が長く、戦後に工業化による高度経済成長を通して核家族化が進み、「集団から個」の生活に大移動した。しかし、格差と賃金の上昇が止まった社会の出現で「個から集団」に先祖がえりが一部に見られる。もちろん、貧しさの象徴である長屋でなく、住む人達がお互いにコミュニケーションが図れる新しい長屋の出現である。アジア人は西洋的な個人主義的な住まいより、集団主義的な住まいの方が心の安らぎが得られると思われる。
  • entry156ツイート
  • Google+