今朝電車の中で工事現場で働く作業員の方が仲間と雑談をしていたが、一人の年配の作業員が「人格がない奴は上に立ってはいけないよ」と大きな声で言っていた。作業員の方の指摘は正にその通りであるが、彼が憤って言ったのを聞くと彼等の職場も上に立っている者に人格者はいないのであろうと思われた。最近、書店では"人格"とか"品格"とかを取り上げた本が多く並んでいるのを目にする。私の理解では人格や品格の喪失は高学歴の人達の問題と思ったら今朝の作業員の会話で社会全体であることが分かった。そう言えば、当社が管理しているビルのテナントで同じ職業なのだが好対照の事例があった。それぞれのテナントの入居しているビルは違うのだが、職業は同じ弁護士である。両弁護士とも個別的な事情があり賃料の引き下げを要請してきたのである。一人の弁護士は当社担当者に対し横柄な態度で一方的に大幅な賃料引き下げを要請してきた。もう一方の弁護士の方は、現行賃料がビルの格から言えば妥当と思うが、諸般の事情により多少でも賃料を引き下げて頂けないかと当社担当者に対し低姿勢で要請してきた。当然に両物件共に管理物件であるため要請に対してはオーナーの了解が必要であるので、当社ではオーナーに要請を伝えたがこの要請に対してオーナーの方も又対応が好対照であった。良いテナントには良いオーナーが、人格に問題があるテナントには同様なオーナーの典型的な例となった。結果は言うまでもなく、良いテナントの方はオーナーの理解を得て直ぐに解決したが、悪いテナントの方は現在調停に入っており、間違いなく調停は不調に終わるので裁判となるものと推測される。しかし、本当に現在の社会は地位に相応しくない者が地位を得ているので良い社会にはならないと思われる。人格、品格そして器量が上に立つ者や経営者の資質であることを肝に銘じたい。