大西洋・地中海のクロマグロの取引禁止がEUの発議でほぼ確定する状況になった様だ。環境や自然資源の保全と言う大義名分は理解するが、この取引禁止に養殖のクロマグロまで含まれるとなれば話は違ってくる。グローバル経済は発展途上国の経済を急速に成長させたが、その反面、各資源の需要が従来にない速度で伸びてきている。マグロは日本人の食生活に欠かせないものであるが、クロマグロの取引が大西洋・地中海で禁止されれば、次は他の地域で捕れる別な種類のマグロの取引禁止に繋がる可能性は大きい。狂牛病や健康志向と相俟って「マグロ」の世界的需要は増大する傾向にあるが、くじら同様にマグロは日本人の食文化であるので、それらの食文化に関係ない国々に一方的に禁止される理不尽さには憤りを感じる。日本人の多くはデフレ経済に洗脳されてしまったので食糧まで自給自足を否定する傾向にあるが、大きな自然変動で食料不足になった時には金があっても買えないことを肝に銘じるべきである。なお、今回のクロマグロの教訓としては、今後の資源争奪競争において力を発揮するには地域の共有意識が必要であり、日本はアジア諸国と共通の価値観を持って欧米に対抗する必要があるということである。クロマグロやくじらを見ても日米の価値観は大きく異なるので、日米条約など資源争奪競争においては何の価値もないことを国民は知るべきである。今後はあらゆる資源で争奪競争が起き、今のままでは日本は後手に回る懸念が大きい。今日本に必要な政治家は"友愛"などを唱える政治家ではなく、資源争奪競争に勝ち抜ける政治家である。何時までたっても経済は一流、政治は二流では国が滅ぶのである。