先日、不動産の仲介でお会いした社長さんはユニークな方であった。年齢は44歳前後と推定したが、今後の日本の不動産に対する鋭い洞察力を持っており、不動産業界には珍しくハッタリがなくストレートなものの言い方でした。この方は大学卒業して就職した22年前は経済バブルの真っ最中であったので、当時の不動産経営者達と会う機会があったとのことでした。彼は今回の平成ミニバブルでは会社の上場を目指した不動産会社の経営者の立場であり、上場寸前でトラブルに巻き込まれて係争中にリーマンショックで当初目標の変更を余儀なくされています。この彼が平成ミニバブルで有名になった人達を評して言った言葉は、小人物ばかりであったと言う事でした。一つの理由としては、今回の不動産のミニバブルの原因は不動産が金融化して不動産開発に対する物づくりを知らない連中が多かったと指摘していた。私も彼に意見に肯く点があったが、私のもう一つの見方は20年以上前の経済バブルと大きく異なるのは、経済バブル時代は事業の欲であったが、今回の平成ミニバブルでは単なる金儲けの私欲であったために小人物にしか見えなかった様に思える。名門灘高校から東大に入った村上ファンドの村上や名門久留米代付属から東大に入ったライブドアの堀江などは、私欲で能力を使った典型的な人物であった。彼等には大物感は少しも感じられなかったのは私欲しか感じられなかったからと思われる。この様に書くと私欲と事業欲の違いは何かと質問がでると思うが、一言で言えば事業欲の方は人を育てたり、地域社会に貢献する可能性があることと考える。最近の経営者は短期間で利益を出すことを強いられているので、私欲はなくてもスケール感を出せる機会が得られないために小物として評価されてしまうのかもしれない。尤も、経済バブル後の経済不況化ではスケールの大きい人物は淘汰されてしまったと思われるが、今の日本に政治経済とも必要なのは大物の出現であろう。