情報化(IT)社会で失われる雇用の受け皿や報酬低下の問題解決は国民幸福度の思考へ

情報化(IT)は確実に雇用や費用を減らしているが、費用の減少はそれを実現する初期投資が起きるから絶対マイナスでないとしても雇用の方は余剰分の受け皿が用意されていないように思える。最近の傾向ではIT化による余剰人員をサービス業や第一産業の農業などに誘導する様な動きが見られるが、IT化で失われる職場で働いている人達は肉体労働とは懸離れているので受け皿としては簡単ではない。勿論、農業も今後はIT化による工場生産方式に変わると思われるので少なくても土日の休みもない様な現行の個人農業とは違ってくると思われるが、それには未だ時間が掛かると考えられるので現時点では受け皿としては難しい。サービス産業に関してもIT化のグローバル経済よるデフレでコスト削減が著しい職場なので正社員としての雇用は少なく大半はアルバイトで構成されているので報酬に低下は避けられない。尤も、最近の若い人達は最初から正社員の雇用の厳しさを知っており、昼夜のアルバイトの掛け持ちで生活しているのが実情であるので、IT化がもたらした格差社会では正社員雇用が当たり前の時代の人たちとは考え方を事にすると思われる。インフレ経済に育ち就職した者にとっては将来に対して楽観的な考え方が一般的であったが、経済成長など期待できない現代社会では将来に対する不安が先立つので縮み思考になって来ている。新聞・TVで20代、30代の自殺が多くなっていると報道されていたが、将来が展望できない時代の悲劇と思われる。マスコミが盛んにバイオテクノロジーや省エネ技術の開発など新しい時代の技術による産業の勃興によって雇用が創出されるので未来は期待できと報道しているが、新しい技術が雇用を奪ってきた過去を見ると眉唾にしか思えない。人口が減少すると経済力が低下すると言う理論は過去のものであり、今の日本社会はIT化によるグローバル経済の未来を先んじているのかも知れない。その様に考えると従来のGNP(国内総生産)思考からGNH(国民幸福度)思考に切り替えて人生の価値観を金銭的重視思考からIT化の反対である時間を遅く進ませる自然的重視思考に転換させる必要がある。

普天間基地移設問題だけが政治ではないのに馬鹿騒ぎには疑問!

連日マスコミは鳩山首相の普天間基地移設問題を取り上げて「日米関係を損なう」とか「決断できない政治家」とか喧しい。普天間基地移設以上に大事な政治的課題は沢山あるのに肝心の問題は普天間基地移設問題で消されている。米国にとっては普天間基地は必要なのだろうが、移設先の埋立てなどの具体的な事項に対しては日本に一任している筈である。綺麗な珊瑚礁を埋立てて移設基地を建設する問題は旧政権の自民党政権時代の悪しき土木政治の延長である。新たに発足した民主党政権がそれを否定するのは当然なことだが、日本のマスコミなどはどこかの政府のスポークスマン宜しく問題をすり替えている。珊瑚礁の埋立など言語道断なので百歩譲ったとして基地は海上に浮体工法で行なうべきなのである。関西新空港の建設時にも話題に出たのだが、日本は造船会社より建設会社が政治に影響力が強かったので土木工事の建設になってしまった。関西新空港を浮体工法で作ったならば工事費も遥かに少なくて済んだ上に、今日的な多くの問題は生じていなかったのである。普天間基地移設に関しても移動出来る浮体工法による基地建設を打ち出すことが先決であり、建設地の物色はその後で良いと考える。鳩山首相の無能振りを批判するより建設的な代替案を指示してこそ論争の意味があるのである。政治家として大事な事は歴史を勉強して二度と同じ過ちを犯さない事であるが、今回の馬鹿騒ぎには与野党とも呆れるばかりである。もっとも、鳩山・小沢チームは普天間基地問題を社民党と国民新党の責任にして参議院での過半数獲得を狙ったのが失敗した結果かもしれないが。何時の時代も国民を無視する政治なのでマスコミの馬鹿騒ぎと政治家の言動には注意が必要である。

米国フロリダ沖の油田事故による原油流失でバタフライエフェクトを考える

BT油田の爆発事故で原油の流失が起きており、フロリダ沿岸は原油で自然が破壊される危険性が大きくなった。原油流失事故で思い出すのは30年以上前のオランダのハーグで起きた原油流失事故である。この時には日本の関係者も多数視察に行き、その後の原油流失における被害と事後処理を研究する切っ掛けとなった。日本でも十数年前に日本海で沈没したロシアの小型タンカーの原油が流失し、島根県などの沿岸の市町村は押し寄せた原油を始末するのに大変であった。油田の事故での原油流失はアラビア海で起きた事故と北海油田の事故が記憶される。しかし、今回のフロリダ沖のBTの事故は現在に到っても原油の流失が止まらずにいるので、今後の被害は想定外の被害となり可能性が高い。特に、フロリダ沖の潮流は米国本土の気候にも多大な影響を及ぼすと言われているので、海洋自然の破壊だけでなく、米国本土にも何かしらの影響が出ると考えられる。特に、カオス理論のバタフライエフェクトによって地球規模的に影響が出てくる可能性も否定できず、今年から来年に掛けては世界中の農業生産などに影響が出てくるかもしれない。金融危機の後にはギリシャなどの国家破綻不安が起き、更にアイスランドの様な数百年に一度の火山爆発や大規模な油田事故による原油流失による自然破壊の出来事が続くと何かが地球のバランスを壊したとしか思えない。この様な時代には人間の脳も狂わせるので為政者には気をつける必要がある。

情報化社会がもたらしたデザイナーズマンションなど外見重視偏重の問題点

その時代その時代に起きた革命的な変化は人間の脳にも大きな影響を与えて新しい考え方が生まれるが、その様な視点で情報化社会を見ると、不動産業界などには"見た目重視"に大きな影響を与えたと思われる。もちろん、何も見た目重視は情報化社会だけが生み出したものではないが、今回の見た目重視の問題には極端なハード軽視に繋がっている怖さを指摘したいのである。グローバル経済が物の価格を引き下げているが、短期間で消費されるIT機器と建築物は基本的には異なるので、見た目も大切だが自然災害に対する配慮も重要となる。今日的な問題ではないのだが、建築士に設計を依頼するとデザイン重視の人と機能重視の人に分かれる。前者は使い勝手が悪く、後者は野暮ったいので発注者としてはこの中間の人を常に探している。この様に書くと躯体等ハード面の事に触れていないと思われるかもしれないが、地震災害の多い日本ではハード面で手抜きをすることは想定外のことであった。もっとも、阪神大震災で分かった事だが、関西は大地震が起きないと言う間違った考え方が浸透して関西の建築物の多くは許容範囲を下回っていたために地震規模以上に被害が大きくなったと言われている。少なくても、東京を中心としたエリアでは許容範囲を下回る手抜き工事はなかったと思われる。しかし、情報化社会やグローバル経済の浸透に相俟ってハード軽視の考え方は建築業界にも波及し、「物造り」を重視しない人達が不動産業界に進出し大きな利益を挙げるようになり、何時の間にか極端な見た目重視に変わり、ハード面のチェックは二の次になってしまった。その結果は耐震偽装事件に繋がっているのだが、この耐震偽装の様な犯罪は極端な例だが、問題は工事費の削減要請から生じたハード軽視の不良建物が2000年以降多く出現している事実である。外観や設備的には古い建物より優れているが、建物の基礎の部分や建築物の内部、更には工事費削減を目的とした材料は時間が経過しないと判断できないので怖い。不動産業界に関わる人の多くが、家電などの例を挙げて日本の家電はフル装備で価格が高く競争力が弱くなっている例を引き出して装備の簡素化に対する考え方を建築業界にも波及させていることが問題と思える。もちろん、経済力のない国々の人に対する物販の考え方を幾らグロバル経済だからと言って日本にも適用すること自体が考え方に間違いがあると思われる。ひとつの大きな変革をもたらす技術的な思想は多くの分野に波及するが、それは必要条件であって十分条件ではないことを理解して取り入れるべきと思える。不動産業界は、ipodとウォークマンとの競争結果とは違うのである。

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