知人から一般社団法人日本オオカミ協会への加入依頼があり快諾した。日本オオカミ協会とは絶滅した日本オオカミを研究する会かと思ったら、 想像と異なりオオカミ復活運動であった。会の趣旨は明治時代に絶滅させたオオカミの復活によって食物連鎖を修復し自然生態系を守ることだった。
弊社もゴルフ場のコース管理の業務を行っており、増えすぎたシカ、イノシシなどの被害で現場が対応に苦慮しているのでオオカミ復活には賛成の立場だ。しかし、増えすぎたシカやイノシシに責任はなく、生態系を壊す原因となった日本オオカミの絶滅は人間が関与しているのでその反省なくしてオオカミの復活はないとも考える。会員になって協会から送られてきたフォレスト・コールと言う会報(NO.19)の冒頭に足尾銅山の公害に対して一生を捧げた田中正造翁の「真の文明は 、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし」の言葉が掲載されていた。明治以降の欧米を模倣した近代化が自然破壊を進め、日本オオカミなどを絶滅に追い込んだ。日本は地方が疲弊し人口の流失と減少に歯止めが掛らない。又、猟友会も少子高齢化社会の到来で若い人が少なく先細りの状況である。この為、増え続けるシカなどの被害に対してはますます対応が困難となってきている。
弊社も管理しているゴルフ場に関しては多くの鳥獣の被害に悩まされているが、シカやイノシシに関しては被害が大きい上に強力な対策が取れないので困っている。確かに、オオカミの復活には賛否両論があるのだろうが、現状を考えると復活後の懸念より、復活させた方が自然にとってはメリットがあると思われる。話は変わるが、故郷の実家の氏神様の守り本尊はオオカミだと曾祖母に聞いたことがある。その為か、私の実家と犬と相性が悪く、犬を飼っても事故(私が幼き頃に顔を飼い犬に噛まれた)が起きたり、短命(事故死など)で終わることが多かった。しかし、父が亡くなった後に母が飼ったハスキーは長生であった。ハスキーはオオカミと似ている面もあり、当家の氏神様も勘違いしたのかもしれない。(笑)
自然の均衡を壊したツケが回ってきているのかもしれないが、シカが増えすぎて森を破壊する現状を放置するのは昨今の天候不順に際して更に大きな被害をもたらす原因にもなる。同様にイノシシの増加も看過できないほどであり、従来はそれほど大きくないイノシシであるが、先日狩猟で獲れたイノシシは250kgもあり、大人4人で漸く車に乗せたとのことであった。それを聞いて、スタジオ・ジブリの"もののけ姫"の映画で森を守る精霊として大きなイノシシが描かれていたのを思い出した。
ゴルフ場のコース管理でイノシシ対策に悩まされていた時に知人から日本オオカミ協会の誘いを受けたのも何かの縁と思うが、実家の氏神様はオオカミであると曾祖母が言った事まで思い出した。ゴルフ場のコース管理をする上で鳥獣類と如何に共棲するか、又コース内の草木も自然の恵みとして感謝の気持ちを持って行きたいと思っている。自然の感謝には、管理棟に神棚を設置して祀っている。自然の神々に感謝である。