タイトルと内容にズレが生じて来ていますが、私のブログの特徴なのでご容赦願うことにし、何故日本のデフレが執拗に続くかを改めて考えると、一番の問題は刷り込みに対する国民性に関係しているのではないかと。この国民性が戦前は日本を果てしない戦争に引き込み、現代は何の科学的根拠もなく、物の価格はもっと下がる筈と言う思い込みがデフレを長引かしている。
日本経済は開かれた欧州の先進国の経済と異なり、戦後の繁栄は国内的に高いコストを受容して「風が吹けば桶屋が儲かる」方式の鎖国主義的な循環経済で繁栄を享受していたと考えられる。この為、海外からは輸出製品と国内製品との二重価格を指摘されて非難を浴びたのである。勿論、全く同じ製品を違った価格という事ではなく、TVひとつとっても装飾的な面で違いがあり、国内仕様は木製の豪華版であった。勿論、戦後はインフレの為に物の価値が高く、従って豪華製品仕様にする必要があったとも推定される。1980年代のバブル経済までは国民は高くても製品を購入していたので、巡り巡って自分の収入に跳ね返ってきたのである。
しかし、バブル経済崩壊後にデフレ経済になり、その後はITと金融資本主義がグローバル経済を推進させて一物一価の理論が成立する考え方が浸透してきた。また、マスコミも国内価格が必要以上に高く、電気製品等に関してはガラパゴスと言って発展途上国仕様の必要性を囃したてた。勿論、デフレ経済で給料が上がらない状況においては、物の価格が安くなることは実質的に給料が増加することなので、国民は大いに物の価格引き下げに邁進することになった。茲に効率化と言う便利な物差しが出てきたので、全ての業界で効率化が進められてきた。尤も、海外に輸出する製品を持つ企業ならばこの考え方は間違いではない。しかし、国内需要だけの企業にとっては、利益率の減少と競争激化の嵐に晒されることになり、逃げ道がないのである。地方の疲弊は国内の消費に依存している企業が多いのでダメージは大きかった。然も、海外から安い輸入品が入ってくるので尚更厳しい環境となった。
国会議員、学者、官僚及び勝ち組と言われる人達は、企業も個人も創意工夫すれば成長できると囃し、金融政策や財政策を駆使すればインフレ経済になり、日本経済が再生すると訴えている。しかし、日本国民のスイッチをインフレ経済からデフレ経済に切り替えてしまった事に気が付かずに幾らインフレを起そうとしても無駄な事とは理解していない。20年の間に少子高齢化の社会を予測していたにも拘わらずに非正規雇用者を増大させて一層少子化になる政策を進めてインフレになる芽を全て潰してきたのである。部分最適な政策を進めてきた結果がデフレ経済の深刻化を招いたことに気づきもしていない。マイナス金利政策などその最たるものだ。安倍政権は大手企業の賃上げや消費に結びつかそうと労働改革に注力しているが、死んだこの齢を数える行為に過ぎない。国民はデフレ経済に満足しているおり、現状では生活が厳しくなるインフレなど少しも歓迎していない。
(次のブログに続く)