経済学のデフレと現場の感じ方の違い①

日本が経済デフレに陥って景気が回復しないと言う考え方が一般的だ。しかし、私は別な観点から日本が置かれている現在の経済的環境は古典的な経済デフレではないと最近考えるようになった。勿論、私は理系の人間で経済学など学んだ経験がないので、私が思うのは独善的な解釈である。確かに、日本が経済学的なデフレに陥ったのは経済バブルが崩壊して資産が下落し消費が減少した為との説は経済理論から当然な分析結果と否定はしない。しかし、安倍政権になって過去にないデフレ退治の政策を行っているにも拘わらず一向にデフレから脱却できないのは承知の事実だ。専門家は金融政策、財政政策などマクロ経済からデフレ脱出の処方箋を提案してるが、実際に動いている現場の構造の変化を理解しないとマクロ経済など偉そうに論じても的を得た分析になっていないと思われてならない。私が敢えて市場と言わないで現場とミクロ的な表現を使ったのは、そもそも市場と言う捉え方が間違っていると考えるからである。

尤も、経済理論を批判する考えはないので、何とか理論など無視して私の荒唐無稽な分析を述べることにする。日本はバブル経済が崩壊し、不動産担保金融が破たんして金融機関は10兆円を超える不良債権を抱えることになったのは事実だ。しかし、バブル経済と言っても企業にとってはその需要に合わせて設備投資しているので問題はバランスを欠いた設備投資となった分に対して如何に償却を図るかだが、日銀は実態と合わない金融政策を導入して無理矢理バブルを壊して不良債権を築かせたのも紛れもない事実である。その上、バブル経済が起きた原因を分析せずにバブル経済崩壊後にとった政策が全ての間違いと考える。

バブル経済が起きた原因はオイルショック後の日本企業の回復とその後の急速な円高、更には米国の圧力による内需拡大政策であった。また、更に悪い事には重厚長大産業による設備投資が減少し、大手金融機関にとっては安定した貸出先が望めなくなったことであった。円高になっても未だ国内の需要もあり、国内工場の海外移転が加速することはなかった。しかし、バブル経済の崩壊により、国内の需要が減少するにつれて輸出に注力する企業は国内工場を中国や東南アジアにシフトし始めた。国内設備が供給過剰でありながら輸出の為に海外に工場建設して軌道に乗ってきた時にアジア通貨危機が起きて元の木阿弥どころか金融機関取っては国内と海外とのダブル貸し出しの不良債権になってしまった。

(以下は別のブログに続く)

 

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