国土交通省の責任転嫁と天下り先の強化

構造偽造事件は国土交通省の責任を問うことなく、建築士の資格更新の研修強化と言う馬鹿げた決着で幕を下ろそうとしている。建築士の資格である知識が不足して起きた事件でないのは自明の理である。今回の事件は刑事罰を受ける犯罪である。もし、資格の更新について問題があるならば審査する側である。大半の建築士は不正の申請など行ってはいなしし、デベロッパーから不正を強いられても応じる事はない。もともと大規模化した現在の建築物に対して東京都庁の建築指導課でも対応が難しくなってきたのを民間の審査機関のレベルで構造審査を費用的に見ても適格に行えないのは国土交通省の担当者も理解していた筈である。それが米国の要請で、小泉政権時に建築審査機関を短くする目的で民間委託が決まり、且つ「仕様規程」を「性能規程」に変更して不正の芽を植えたのである。百歩譲って役所のスリム化から民間委託は良しとしても、構造審査に限り民間委託にしないで別な審査機関を設けて行うべきであったのである。この反省なくして制度を改めても利用者の民間側では経済活動に支障がでるだけである。今回の事件後に国内の法律の施行の手順をを無視して審査基準を強化したため昨年7月以降現場が混乱したのは承知の事実である。責任を取らない役人に全て任せた結果である。今回の問題に政治家の存在は皆無である。漸く、新たな対策で動き出したが、今度は建築士の資格更新の強化と一定規模以下の建物に関しては審査不要との馬鹿げた対応である。この意味するところは、役人の天下りを増やすだけで民間にとっては何のメリットもない事に抗議すべきである。役人の天下り先の民間審査機関の会社とスタッフに対して厳しい研修制度を設けるべきであり、国交省の責任を明確にしなければ同じことが復起きると思われる。

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